知能の進化 〜6億年の物語〜

5,828 文字

The Evolution of Intelligence: A 600 Million Year Story.
This video follows the evolution of intelligence through the lens of learning, from the simple nerve nets to the complex...

おもろいもんですな。脳のこと、全部わかってんのかと思えば、ぜんぜんわかってへんのやないかいな。
脳には何十億個もの神経細胞があって、何兆個もの電気回路がつながってて、それがずーっと発火してんねん。そのパターンが私らを定義してるんやけど、どないなってんのかはわからへんのや。
昔の人は脳の機能を分けて説明しようとしたんや。ここが記憶、ここが計画立てる部分、ここが知覚…みたいにな。でも最近の脳科学では、脳の機能はバラバラの部分にあるんちゃうって。いろんな部分が絡み合ってるんやて。
これがめっちゃ複雑すぎて、逆説的に解明するのが難しいんや。なんでかって言うと、脳は人間が設計したみたいに作られてへんからやねん。
脳は進化してきて、私らが知能って呼んでるもんを作り出したんや。
最近の人工知能ブームで、人間の知能の何がそんなにすごいんか、って問いに直面せなアカンようになってきたんやな。
最近出た「知能の簡単な歴史」っていう本があんねん。これが最新の研究に基づいて、進化の観点から知能を見てんのや。学習能力の5つの重要な飛躍を追って、知能の進化を説明してるんや。
ほな、タイムスリップして最初に戻ってみよか。
脳ができる前は、神経網っていう単純な脳の構造があったんや。これは最初の多細胞生物に見られんねん。これで周りを感じたり反応したりできるようになって、食べ物があったらつかむとかの簡単な行動ができるようになったんや。
これが私らの最初のブレイクスルーにつながんねん。つまり、食べ物に向かって進む能力やな。
これは大きな節目やったんや。私らの祖先が、小さなミミズみたいな生き物になった時やね。単純な脳やけど、たった302個の神経細胞しかなかったんや。
原始的な嗅覚があって、脳の中の小さな神経細胞の塊が、周りのいろんな化学物質を感知できたんやね。
そして、食べ物を見つけるのに単純なルールを使うてたんや。ええもんの濃度が濃くなったら前に進む。薄くなったら向きを変える。こんな感じやね。
でもな、これらの生き物は生きてる間に新しい行動を学べへんかってんや。脳の回路は遺伝子でコード化されてて、生きてる間は固定されてたんやな。
これは生き物の限界やったけど、経験に基づいた新しい学習の仕組みで乗り越えていくんや。
これが次のブレイクスルーにつながんねん。試行錯誤から学ぶっちゅうやつや。
この進化の飛躍は、カンブリア爆発の頃に見られるんやな。約5億4000万年前くらいや。
この時期、新しい生命体がめっちゃ出てきたんや。その中には、原始的な魚に似た遠い祖先もおったんやで。
こいつらは経験から行動を調整できる新しい神経回路を進化させたんや。でもな、経験から学ぶには、学べる感覚と学べる行動の両方が必要なんやで。
まず感覚の方から見ていこか。
これらの動物は、世界とのインターフェースとして働く新しい脳の層を発達させたんや。これを大脳皮質って呼ぶんやけどな。
これがすべての感覚器官からの入力を受け取るんや。目、耳、嗅覚、触覚…全部や。そして、これらの入力を脳の深い層でニューロンの活性化パターンに処理するんや。
これで大脳皮質は、特定のパターンを世界の特定のものと関連付けられるようになったんや。新しい食べ物の源とか、危険とかな。
前に見たみたいに、一つのニューロンが一つの特定のものに対応するんとちゃうんや。
この進化の飛躍で、ニューロンの活性化パターンが世界のいろんなものを表現できるようになったんや。
これで魚は新しい物体を効果的に認識できるようになったんやな。人間の顔みたいな、進化の過程では見たことのない複雑なパターンも含めてな。
この能力を示すために、研究者らが面白い実験をしたんや。魚に特定の人間の顔の写真に向かって水を吹きかけるように教えたんや。ご褒美をもらえるようにな。
そしたらめっちゃ上手にできたんや。顔の向きを変えてもできたんやで。
ほな次は、感覚と一緒に行動がどうやって学習されるかを見てみよか。
行動をコントロールするために、大脳皮質で知覚を表現するニューロンが、新しく進化したドーパミンニューロンとつながるんや。
ここがポイントやねん。ドーパミンの信号が増えると、動物が最近やった行動をもっと起こりやすくするんや。逆にドーパミンが減ると、最近の行動を抑制するんや。
有名な実験があってな、シュルツが率いたんやけど。サルにいろんな合図を見せたんや。例えば、形の絵とかを5秒前に見せて、その後に砂糖水のご褒美をあげたんや。
最初は、サルのドーパミンニューロンが予想外の砂糖水に反応して発火したんやけど、形を見せた時はそうならんかったんや。
何回か繰り返したら、ドーパミンニューロンが形を見せた直後に発火し始めて、砂糖水をあげた時には発火せえへんようになったんや。
つまり、ドーパミンの反応が、ご褒美の最も早い予想の時点にシフトしたんやな。
これで明らかになったんや。ドーパミンは快感のシグナルちゃうねん。将来の快感やご褒美の期待が増えたことを示すシグナルなんや。
でもな、みんな知ってるように、学習と同じくらい忘却も大事なんや。ドーパミンはこれも促進するんやで。
例えば、もっと実験を重ねて、形は見せるけどご褒美は一切与えへん試行をしたんや。
そしたらどうなったと思う?ドーパミンニューロンの活動が、前にご褒美をもらってた時間にぴったり減少したんや。
このドーパミンの発火率の減少は、ネガティブフィードバックの一種やと解釈できるんやな。私らが不満や失望を感じるようなもんやね。
そして、この報酬に基づいて任意の一連の行動を実行する能力によって、動物はより良く環境から学べるようになったんや。報酬を得たり、痛みを避けたりするようにな。
この過程は、直感を構築するみたいなもんやと考えられるんやな。
でもな、この形の学習は実際の報酬と痛みの経験に限られてたんや。
これが次のブレイクスルーにつながんねん。シミュレーションや。
ほな、4億年ほど進んで、恐竜が支配してた世界に行ってみよか。
恐竜と一緒に、もう一つの祖先がおったんや。原始的なネズミみたいなもんやと思ってくれたらええ。
小さくて弱かったけど、これらの動物は単純な試行錯誤学習よりもっとパワフルなもんを進化させたんやで。
簡単な想像力を持つようになったんや。恐竜にはなかったもんやな。
これには新しい脳の領域が必要やった。新皮質っちゅうんやけどな。
新皮質はすごいんや。頭の中で映画みたいに未来の可能性を想像できるんや。そして、実際に経験したのと同じように脳を活性化させるんやで。
そして、決定的なのは、これらのシミュレーションから、直接経験したのと同じようにドーパミン回路を刺激できるってことなんや。
既存の直感回路を利用しつつ、想像上の行動に適用するんやな。
これで動物は頭の中での試行錯誤から学べるようになったんや。
例えば、昔から知られてたんやけど、ネズミを迷路に入れると、選択肢があるとこで立ち止まって、行ったり来たりしながらどっちに行くか考えるんやな。
最近になって、デイビッド・レディッシュが率いる実験で、迷路を探索中のネズミの脳のニューロン活動を記録したんや。
そしたら、ネズミが決断ポイントで止まって頭を行ったり来たりさせてる時、実は脳の中で各経路を通る様子をシミュレーションしてたんやて。
ネズミが実際に各経路を歩いた時と、頭の中で歩くのを想像した時に、まったく同じニューロンパターンが活性化されたんやで。
見えるのは、ネズミから目標までの一連の流れやな。
現在の内部状態から頭の中でシミュレーションを走らせる能力は、複雑な運動スキルも向上させるんや。
これを、トカゲみたいな新皮質のない動物と比べてみ。トカゲは次の一歩を踏み出す前に見えへんからな。
でもな、これらの初期の哺乳類では、シミュレーション能力はまだ私らに比べたら限られてたんや。
この頭の中の映画は、いつも一人称視点で、直接経験に基づいてたんやな。
これが次のブレイクスルーにつながんねん。
ほな、約1500万年前まで進んでみよか。私らの祖先は最初の霊長類に進化してたんや。
ほとんどの哺乳類は単独か小さな家族グループで生活してるけど、チンパンジーみたいな霊長類は部族で生活してて、動的な社会階層があるんやな。
空のケロシン缶を使って印象的なディスプレイを作ったマイクは、めっちゃ低い地位からトップランクのアルファオスの地位まで上り詰めたんや。
成功するチンパンジーは、他の奴らが何を考えてるか分かる能力を持ってなアカンのや。
そのためには、自分の一人称視点から抜け出して、三人称視点で考える能力が必要なんや。これを「心の理論」って呼ぶんやけど、他の奴らが何を考えてるか考えたり、自分の考えについて考えたりすることやな。
オリーがシロアリの塚に向かってるで。
口に2本の草の道具を咥えてるんや。塚を見つける前に選んでるんやで。これは本当の先見の明を示してるんやな。
これをするために、霊長類は新皮質から進化した新しい脳の領域を使うてんねん。顆粒性前頭前皮質っちゅうんやけど、これで脳はもっと一般的にシミュレーションできるようになったんや。
例えば、霊長類学者のエミール・メンツェルが観察したベルっていうメスのチンパンジーがおってな。ロックっていう支配的なオスのチンパンジーから食べ物を盗まれんようにするため、いろんな戦略を考え出したんや。
最初、ベルは食べ物の上に座ってたんやけど、ロックがそれに気づいて押しのけて食べ物を取ってしもたんや。
そこで、ベルは新しい戦略を考え出したんや。最初は新しい食べ物の場所を避けて、ロックが目を離すのを待って、すぐに走って行くようにしたんやな。
ロックがそれに気づいたら、今度はベルがロックを間違った方向に誘導しようとし始めたんや。食べ物から離れる方向に歩いて行って…
最終的にロックは、ベルが誘導してる反対方向に食べ物を探すべきやって気づいたんや。
この、どんどんエスカレートしていく騙し合いのプロセスで、ベルとロックがお互いの頭の中で何が起こってるかを理解できてるっちゅうことがわかったんやな。
霊長類が実際に他の奴らの頭の中にあるものを理解できて、それがどう変わるかも分かるっちゅうことを証明するため、たくさんの科学実験が行われてきたんやで。
このブレイクスルーの重要なポイントは、霊長類が自分の頭や個人的な経験から生まれたんちゃう知識を蓄積できるようになったってことやな。
一番簡単な例やけど、誰かが怪我するのを見て、自分は怪我せんと学ぶってことや。自分の経験やのうて、他人の経験から学ぶんやな。
この形の模倣学習は、もっと複雑な行動を学ぶところまで広がってんねん。
例えば、チンパンジーが道具の使い方を学ぶ時、まず親を観察して、それから真似するのを見るんや。こういうパターンが、観察学習によって世代から世代へと受け継がれていくんやな。
チンパンジーには独自の原始的な文化があるんや。
そして、これが最後のブレイクスルーにつながんねん。言語やで。
人間には、自分らの想像を自分らで作った記号で伝える独特の能力があんねん。そして言語の発達と一緒に、書くことも発達してきたんや。
これらの記号をどんな長さでも連ねて、どんな種類の思考でも、どんな複雑さのレベルの思考でも表現できるんやな。
そして、言葉を読んだり聞いたりする時、他の人の思考を見て、まるで自分が考えたかのようにその思考をシミュレーションできるんや。
これで人間は、模倣学習の実用的な限界から解放されたんやな。
チンパンジーとは違うて、他人の実際の行動を観察することでしか学べへんかったんやけど、私らは他人の想像上の行動からも学べるようになったんや。
これで、実際の行動なしに知識を蓄積できるようになったんやな。ただ記号を観察するだけでな。
書くことが重要なのは、生きてる頭の外で思考を蓄積できて、世代を超えて積み重ねていけるからや。結果として、自然界の他のものとは比べもんにならんほどの技術の爆発が起こったんやな。
言語によって、思考は完全に人間の頭から解放されたんや。
これで見てきたように、知能は徐々に複雑になっていく学習の源から生まれてきたんやな。
最初は自分の行動から。
次に自分の想像上の行動から。
それから他人の行動から。
最後に他人の想像上の行動から学ぶようになったんや。
最近、AI の分野で大爆発が起こってんねん。ChatGPT みたいな大規模言語モデルが、世界中のテキストを読むことで人間の言語をモデル化することを学んだからや。
これらのシステムは、進化が取った方法とはまったく逆のアプローチを取ってんねん。
人間の知能は言語で終わったけど、大規模言語モデルは言語から始まるんや。人間の思考の最終的な出力を、入力として使うてんねん。
これが AI の分野での大きな議論になってんねん。人工知能は人間の知能が踏まなアカンかった段階を省略して、いきなり言語にたどり着けるんかな?それとも、もっと基本的な経験から積み上げていく必要があるんかな?もしそうなら、その経験はどんな形を取る必要があるんやろ?
簡単に言うと:脳には体が必要なんかな?
この Art of the Problem のビデオのスポンサーをしてくれた Jane Street に感謝やで。
Jane Street は、ニューヨーク、ロンドン、香港、アムステルダム、シンガポールにオフィスがある定量的トレーディング会社やねん。
機械学習、分散システム、プログラマブルハードウェア、統計学なんかを使って、世界中の市場で取引してんねん。
Jane Street が、複雑な問題を解決するのが好きな、あらゆる背景を持つ賢い人を探してるっちゅうのを知っといたほうがええかもな。
ええとこは、応募するのに金融の背景は必要ないっちゅうことや。
好奇心旺盛で、問題解決が好きな人を探してんねん。
結局のところ、株式市場は分散型の知能の一形態やからな。人間もコンピューターも長期的には予測できへんのや。
次の大きなトレーディングのアイデアは、もしかしたらあんたから出るかもしれへんで。
Jane Street の仕事についてもっと知りたいなら、機会を探りたいなら、janestreet.com っていうウェブサイトをチェックしてみてな。

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