ムンバイ:地獄の巨大都市

14,774 文字

Mumbai: the Infernal Megalopolis
It’s one of the most populous cities on the planet with 22 million inhabitants, predicted to increase to 30 million by 2...

2200万人の人口を抱えるムンバイは、インドの経済と金融の中心地やねん。毎朝、大渋滞で街が麻痺してまうんや。通勤するのに800万人が毎日電車に乗るんやけど、鉄道網は4路線しかあらへんねん。ラッシュ時は駅がめっちゃ混んでまう。
ほとんど男性ばっかりの通勤客の群れの中に電車がやってくるんや。26歳の会計士のヴィニットは、毎朝1時間半かけて通勤してんねん。もうすぐ来るで。落ち着いて、皆さん!電車に乗るんにヴィニットは押し合いへし合いせなアカンのや。ラッキーなことに、目の前に座席が空いたで。
毎日疲れるわ。みんな前より押し合うようになってもうた。ドアの近くにはもう近づけへんわ。みんな中でも外でも押してくるし。毎日2、3本電車を見送らなアカンのや。車内では、壊れかけの扇風機じゃ45度近い気温を下げるには足らへんねん。混雑してるのに、保険の営業マンや弁護士、銀行員はまだ笑顔を見せてるわ。
楽しんでるで!毎日がそうや。そない難しくないし、通勤を楽しんでるんや。気温はかなり暑いけど、もう日課になってもうたから気にせえへんわ。
この日課が全ての乗客にとって楽しいわけやないんや。目的地に着けへん人もおるんやで。車両にぶら下がったり、電車から身を乗り出したりする人がおるから、事故が日常茶飯事になってしもたんや。
この女性は、他の乗客に引っ張り上げてもらってかろうじて命拾いしたんや。ピンクのシャツの男は、他の乗客に押されて手を離してしもて、命を落としてしもた。この通勤客も命を落としてしもたんや。ヴィニットは目的地に近づいてるで。仕事に着いたら疲れ切ってしまうんちゃうか?
せやな、めっちゃ疲れるわ。仕事前に30分休憩するんや。
無事に到着したけど、2019年にはムンバイの鉄道で2691人が亡くなったんや。1日平均7人が亡くなってるっちゅう衝撃的な数字やね。サミール・ザヴェリは奇跡的に線路に落ちても生き延びたんや。30年前、悲惨な事故で両足を失うてしもたんやけどな。
線路を渡ろうとして転んでしもた。でも、運良く体は電車に乗ってる人の邪魔にならんかったんや。電車が来て、突然足を轢かれてしもた。夜やったから、周りにおった人が一番近い病院に連れてってくれたんや。それで、5分か10分で出血が止まって、命が助かったんや。
それ以来、ザミールは粘り強く当局に働きかけて、電車の安全性を高めようとしてんねん。定員の3倍か4倍の乗客を乗せてるんや。ムンバイの郊外電車の全てのドアを閉めるよう要求してるんや。乗客がケガしたら、緊急医療サービスを受けられて、政府が全額負担すべきやと思うんや。
混雑した電車や駅を緩和するために、現在4路線の地下鉄が建設中やけど、人口過密の巨大都市はまだまだ多くの課題に直面してるんや。
インド西海岸に位置するムンバイ市、昔はボンベイって呼ばれてたんやけど、国の経済の中心地なんや。この旧イギリス植民地都市の人口は急増してしもたんや。1951年のボンベイの人口は300万人やった。今では2200万人が住んでて、2035年までに3000万人になると予想されてるんや。
スペース不足を解消するために、何百もの高層マンションが建設されてるんや。ヨーロッパ風の生活を夢見る裕福な上流階級向けに設計されてんねん。これが私たちの夢の家や、まさに探してたものやわ。こんな巨大な住宅群を建てるために、当局は何百エーカーものスラムを取り壊してるんや。
バラット・ドゥパルはデベロッパーで働いてるんや。こんな素晴らしい眺めやのに、まだ取り壊すスラムがたくさん残ってるなぁ。これらの貧困地域にはムンバイの人口の50%が住んでるんやけど、彼らの創意工夫と独創性で生き延びてきたんや。これらのスラムは北へ広がってるんや。
街は急速に成長してて、サンジャイ・ガンディー国立公園を侵食せざるを得なくなってるんや。そこには野生動物がたくさん住んでて、ヒョウもおるんや。奴らは森の端に建てられた新しい地域に入り込んで来てるんや。最近数ヶ月で攻撃の数が急増してしもたんや。彼女の体の一部、腕の一部が見つかったんや。
スラムから遠く離れたところでは、ムンバイは夢の街でもあるんや。特にボリウッドという華やかな映画産業のおかげで、年間2000本近い映画を製作してるんやで。ダウンタウンのおしゃれな地域が賑わってて、バンドラとかがそうや。ここはジャニータがモデルとビジネスウーマンとして身を置いた場所なんや。正直言うて、ボンベイは夢の街なんや。
ムンバイの人々の成功への渇望と生き残りをかけた戦いの中で、この広大な巨大都市はインドの夢の象徴なんやで。アジア最大のスラムがムンバイの中心部にあるんや。ダラヴィ・スラムやね。100万人が1平方マイル弱に詰め込まれてる。パリの20倍の人口密度やで。
電気系統は不安定やし、水は1日2時間しか使えへん。下水システムもないんや。見た目の貧困の裏には、スラムには何千もの企業が詰まってるんや。自動車部品を切断したり、服を作ったりする小さな修理工場がたくさんあるんや。回って、反対側に向いて、バックして。
マヘシュは27歳や。ダラヴィで育ったんや。今朝、彼にとってめっちゃ価値のある商品が届いたんや。プラスチック容器やね。よっしゃ、誰が荷降ろし手伝ってくれるんや?入って準備するで。誰がトラックを空にしてんの?マヘシュはムンバイのゴミを片付けることで金持ちになる方法を見つけたんや。
昔、ムンバイはめっちゃ汚かったんや。泥とプラスチックがどこにでもあったんや。リサイクルによって、街をきれいにしたんや。街中に捨てられたボトルを持ってきて、ここでリサイクルするんや。彼のリサイクル事業は25人の従業員を支えてるんや。1日200ルピー、約3ドルで、労働者は色や品質によってプラスチックごみを分類するんや。
例えば白いプラスチックなら、1キロで15から20ルピー稼げるんや。これで従業員の給料や電気代、建物の費用を払えるんや。貯金もできるくらいやで。分別したら、プラスチックを粉砕するんや。1日6ドルで、この男たちは何の保護もなしにこの機械に手を突っ込んでるんや。それからペレットの袋を卸売業者に送って加工してもらうんや。
終わったか、まだ残ってるか?全部終わったんか?ダラヴィでは1万2000人がプラスチック産業で働いてるんや。街のプラスチックごみの60%がここで分別されてるんや。ダラヴィ地区は人々が働く大きな地区なんや。ほとんど全員が仕事を持って生計を立ててる。多くの企業に不利な税金があるにもかかわらず、なんとか生き延びてるんや。
人々はよく食べてる。この仕事のおかげで、マヘシュは月600ドル稼いでるんや。これはムンバイの平均賃金やけど、インドの他の地域の10倍やで。彼は両親と一緒に工場の近くの54平方フィートの部屋に住んでるんや。でもマヘシュはこの厳しい生活条件に満足してるんや。時間とともに、ダラヴィはめっちゃ変わったし、生活条件も変わったんや。
昔は木造の家に住んでたけど、今はしっかりした壁がある。この家を建てるのに多くのローンを組んだんや。見てよ、水も電気も、必要なものは全部あるんや。実は、マヘシュと家族はこの家全体を所有してるんや。1階に上がるには、ロープを使ってはしごを登らなアカンのや。この階も私の家の一部で、賃貸に出してるんや。
ここにいる人たちは全員テナントで、家賃を払ってるんや。長年ここで働いてるんや。2階も労働者に貸してるんや。最後に、最上階には縫製工場があるんや。この3つの賃貸で、マヘシュは月240ドルの収入を得てるんや。ダラヴィのインフォーマル経済は毎年8億ドル以上を生み出してるんや。
この創意工夫の精神は世界中の人々を魅了してるんや。ここで映画「スラムドッグ$ミリオネア」が撮影されたんや。この成功以来、世界中から観光客がゴミだらけの路地の迷路を訪れるようになったんや。中には買い物をしたり、地元の雰囲気を体験したりする人もおるんや。この路地の突き当たりにある皮革店みたいに、スラムの名前がブランドになった皮革製品を売ってるんや。
これいくらですか?3200です。この中国からの訪問者は街に驚いてるんや。ここは普通の商業地区みたいやな。みんな笑顔やし。人間が本当に厳しい環境で生き抜く能力に驚いてるわ。これはスエードレザーで、3500やな。29歳のボスのイムランが自らバッグを売ってるんや。
50ドルで、カード、ドル、ユーロ全部使えるで。ここではどんな種類のお金でもOKや。現金の心配はいらんで。50ドルやな。自分の街の名前を冠した皮革ブランドに誇りを持ち、イムランは野心に満ちてるんや。大丈夫?調子はどう?スラムやけど、違う種類のスラムなんや。小規模産業みたいなもんやな。
ここの人は犯罪をしてへんで、みんな苦労して生きてるんや。成功を目指してるんや。私たちも同じように頑張ってて、それが私たちの目標なんや。将来、私たちのダラヴィブランドがマイケル・コースやジミー・チュウみたいな一流ブランドの上に来ることを願ってるんや。イムランは合計で約40人のスタッフを雇って、皮をなめしたり色付けしたりしてるんや。
大丈夫か?イムランの父ワハスが、この信じられないような成功の立役者なんや。40年前、ワハスは北インドの貧しい地域ウッタル・プラデーシュ州から逃げ出して、ムンバイでより良い生活を夢見たんや。一生懸命働いたんや、選択肢がなかったからな。腕が痛くて夜眠れへんかったわ。
めっちゃ貧乏やったんや。村から100ルピーだけ持って来たんや。でも、一生懸命働いて、たくさん努力して、今の地位まで来たんや。ワハジの人生はまるでおとぎ話みたいやな。5年前、彼と家族はスラムの真ん中にあるこの近代的な高層ビルの最上階に750平方フィートの部屋を36万ドルで買ったんや。街を一望できる素晴らしい眺めがあるんや。
これが親父と母さんのマスターベッドルームで、ここに私の小さな寝室があるんや。来てよ、見せたるわ。装飾見てや、この家を作るのに本当に一生懸命頑張ったんや。今日、イムランと妻、3人の子供、そして両親は、ムンバイの住民の20%を占める水道が使える人たちの一員になったんや。
ここでは24時間水が使えるんや。夢が叶ったってことか?そうや、夢が叶ったんや。スラム出身の若い起業家は、特権的なムンバイ住民の仲間入りを果たしたことを誇りに思ってるんや。ほとんどの有名人や政治家は最上階に住んでるんや。たくさんのお金を持ってるからな。それは成功の証なんや。
多くの人にとって、高級な最上階に住むことは夢なんや。ムンバイでは、金持ちになればなるほど高いところに住むんや。下の方では、街は公害で窒息しそうやし、騒音も絶え間ないんや。上の方では生活はずっと静かなんや。最も裕福な住民は、高層ビルの上層階の住まいからこの静けさを楽しめるんや。
街で一番の金持ちの一人がこの超高層ビルの最上階に住んでるんや。ロンドンはどうや?ババラル・ヴァルマは成功した不動産ブローカーや。妻と2人の子供とこの豪華な2700平方フィートのアパートに住んでるんや。朝食は毎朝使用人が準備するんや。ここに座ってや。
ババラルはもともとラジャスターン出身や。約20年前にムンバイに引っ越してきて、街の活気に魅了されたんや。建設業は私の家業なんや。父も先祖も、おそらく過去100年間この仕事をしてきたんや。ラジャスターンに行けば、私の曾祖父たちが建てた大きな宮殿が見られるで。
ムンバイに来ることをどうやって、なぜ決めたんや?ムンバイは成長し続ける街で、みんな成長したいと思ってるし、ムンバイにはチャンスが山ほどあるんやと思うんや。2003年、ババラルは最初の高層住宅を建てたんや。現在、この不動産開発業者は街中で複数のプロジェクトを手がけてるんや。ええな、早く始めてくれてありがとう。
たくさんの超高層ビルを建ててるんや。パートナーと一緒に、グループとして35棟以上の50階建て以上のビルを手がけてるんや。あんたに言わせると、もっと高く建てる必要があるんか?そうや、必要なんや。ムンバイにはもう空間がないからな。3方を海に囲まれてて、街を広げたいのに人口は毎日増えてる。上に行く以外に方法がないんや。
このスペース不足を補うために、ババラルには抜本的な解決策があるんや。何百エーカーものスラムを取り壊すことや。取り壊し始めたんや。橋に接してるやろ。1、2年後に来たら、ここに美しいビルが建ってるで。彼の最終目標はダラヴィ地区を取り壊すことなんや。ダラヴィ、スラムドッグ$ミリオネアのことは皆知ってるやろ。
街は暑いんや。心がちょっとでも不適切やったり、汚く見えたりしたら、街としてはええ印象やないんや。ババラルはスラム再開発で知られるインドの大手企業の一つ、オムカーのトップや。800人以上のスタッフを雇ってるんや。パリヴァルさんが来てるけど、ホテルどうするんや?今朝、この不動産業者は最大のプロジェクトの一つについて最新情報を得るために、経営陣を召集したんや。
これ始まったんか?そっちも?上の部分以外は全部大丈夫やな。せやけど、学校を移動せなアカンのや。学校が問題やな。この巨大な建設工事を始める前に、ババラルと彼のチームは住民に立ち退きを説得せなアカンのや。65エーカーの大きなスラムを片付けてて、キャンドル・モール商業オフィス、住宅、小売りの複合施設を作ってるんや。
ババラルはすでに何百エーカーものスラムを一掃してしもたんや。今の話は面白かったけど、もう一度練り直さなアカンな。彼の最大のプロジェクトの一つが、ムンバイ北部のマラッドにあるんや。かつてスラムだった場所に、820フィート(約250メートル)の超高層ビル4棟を建設中なんや。新興中産階級向けの住宅群になる予定やねん。
建物の下にあるこのショールームには、潜在的な買い手が絶え間なく訪れてるんや。5分で済むで。ラージは印刷会社を経営してるんや。妻と娘と一緒に来たんや。訪問はプロモーションビデオから始まるんや。彼らには理想的な生活様式が売り込まれてる。緑豊かなオアシス、街の喧騒から遠く離れた新鮮な空気を感じられる場所やね。
このビデオで見てるのが、実際に見える眺めそのものなんや。パノラマはまさにこの通りになるで。ラージと家族はモデルルームを見学してるんや。これが3ベッドルームの部屋や。リビングルームは家で一番大事な場所や。ここで一番時間を過ごすから、できるだけ豪華にデザインしたんや。
ラージは気に入ったみたいやな。今は2部屋のアパートに住んでて、娘はリビングで寝なアカンのや。これはバルコニーやなくて、つながってるデッキなんや。アパートは560平方フィート(約52平方メートル)や。3つのベッドルーム、3つのバスルーム、そして完全装備のキッチンがある。この新興中産階級の家族にとっては目新しいもんやな。
家に5つのトイレがあるんや。こんな家をずっと夢見てたんや。予算の問題やと思うけど、彼は妥協すると思うわ。引っ越す準備はできてるし、あとは彼次第やな。家族は気に入ったみたいやけど、ちょっとした問題が一つあるんや。価格が78万ドルなんや。まだ交渉の余地はあるけど、ラージはもう少し考えてから決めるつもりやな。
ショールームでは、プロジェクトのCEOのバレットが別の客と100万ドルのアパートの契約を結んだところや。36%の割引ができるし、次はあんたのもんや。どうや?ええな、それで。プライバシーのある生活を提供するこれらの住宅群は、インドで大人気なんや。
建物の足元にあるスラムを眺めながら、バレットはもう次のステップを考えてるんや。どれだけの地域をきれいにできたか、まだどれだけ残ってるかを見てるんや。まだたくさん残ってるな。こんな素晴らしい眺めなのに、まだ取り壊すスラムがたくさん残ってるんやな。
スラムを取り壊して新しい住宅を建てるために、不動産開発業者は住民を移転させなアカンのや。法律でそうするよう義務付けられてるんや。基本的に、スラムの人々に適切な家を持ってもらうための計画なんや。彼らのために適切な家を建てて、そこに住んでもらうんや。
全体の土地で何が起こるかっていうと、彼らのために家を建てる部分と、建てて売る部分があるんや。そうやって貧しい人々が無料で家をもらえて、残りの土地で家を建てて売ることができるんや。元スラム住民を収容する建物はどんなもんなんや?街の中心部、ウォーリー地区にオムカーの別の再開発プロジェクトがあるんや。
885フィート(約270メートル)の豪華な超高層ビル3棟と、その下に元スラム住民用のアパート群がある。老朽化してて、数メートルしか離れてへんのや。移転させられた住民が怒って話してくれたんや。2人のデベロッパー、ババラル・ヴァルマと彼の同僚を支持してたんや。でも、この不動産開発業者は正直やなかったんや、見てよ!この地区の開発をどれくらいやってるんや?12年間やってて、道路も庭もないんや。
それでええと思うか?ええわけないやろ。不動産開発業者の約束とは裏腹に、学校もないし、店舗はまだ建設中や。3年経っても政治家は何も言わへんし、貧しい人はどこに行けばええんや?
オムカーの広報担当者が突然インタビューを中断させたんや。不満を持つ住民の意見を聞くことを厳しく禁止されてしもたんや。スレシュという広報担当者の厳重な監視の下、建物内での撮影は続けられたんや。6人家族が312平方フィート(約29平方メートル)の2部屋のスペースに無料で住んでるところを選んでくれたんや。これから本当の意味でのPR活動を目撃することになるで。
私たちが言葉を理解してへんと思って、広報担当者が家族の父親にメッセージを伝えてるんや。いや結構です。私は糖尿病なんで。こう言わなアカン:「息子と同じ年の頃、私はスラムで育ったんや」。親は精一杯育ててくれた。でも、息子には自分より良い人生を送ってほしいし、オムカーのおかげでそれが可能になるんや。
男は完璧にセリフを暗唱したんや。若い頃、息子と同じように、スラムに住んでたんや。今日、オムカーとその素晴らしい住宅のおかげで、子供が適切な教育を受けられる環境にいるんや。エンジニアになりたいって言ってる。でも、本当はエンジニアやなくて警察官になりたがってるんや。
この家族は運が良いと言えるかもしれへんな。だって、誰もが新しい住宅をもらえるわけやないからや。標準的な95平方フィート(約8.8平方メートル)のアパートをもらうには、20年間スラムに住んでたことを証明せなアカンのや。この基準を満たさへん住民はどうなるんや?街の外れに追いやられるんや。
ラルバイ・コンパウンドのような通勤者の町では、約60棟の老朽化したアパートに5万人が詰め込まれてるんや。10年前に建てられたばっかりなのにな。近所の入り口にある運河に廃水が放出されてる。この2棟の建物には、8年前にダラヴィから強制的に移住させられた200家族が住んでるんや。
アブドゥルと6人家族がこの2部屋のアパートに住んでるんや。ダラヴィで占有してた土地は当局にブルドーザーで潰されてしもたんや。全てを破壊した後、ここに来いって言われたんや。自分たちでなんとかせなアカンかった。助けてくれへんかったんや。警告された時、準備できてへんかったんや。ただ全てを破壊して、強制的に移動させられたんや。
ダラヴィでは、アブドゥルは事業を持ってたんや。今は配達員として働いてて、収入は半分になってしもた。ダラヴィで感じてた幸せをもう感じられへんのや。この鉄くず業者の家族も昔の近所が恋しいんや。3世代が312平方フィート(約29平方メートル)の住まいで一緒に暮らしてるんや。これが私の家族と家や。これが私の持ち物や。
サルダルは当局に満足してへんのや。9人の子供がいて、両親、兄弟とその家族もおるんや。全部で16人か17人の家族がおるんや。こんな場所でどうやって暮らせるんや?みんなどうやって寝てるんや?ベッドの下で寝てる者もおれば、ベッドの上で寝てる者も、台所で寝てる者もおるんや。
確かに簡単やないな。このスラム再開発政策は、貧困を移動させて垂直化しただけなんや。このスペース不足は、今後15年でムンバイの人口が800万人増えると予想されてるから、もっと悪化するやろな。毎日1500人の移民がインド中からこの広大な巨大都市に定住してるんや。
ほとんどの人が臨時の仕事をしてるんや。小さな通りや路地の迷路には、床屋や仕立て屋、スパイシーな食べ物を売る露天商であふれかえってるんや。最も信じられない労働者は、自転車で食事を配達する人たちや。130年の歴史があって、世界で最も信頼できる配達システムなんや。
23歳のシャンカルは、ダッバワラと呼ばれる弁当配達人や。ムンバイには5000人のダッバワラがおるんや。配達人の中には事故に遭った人もいて、2、3回起こってるんや。だから、自転車に乗るのがちょっと怖いんや。道路を無謀に運転する車やバイクの人も見かけるし。
せやな、かなり怖いな。お客さんの家で弁当を集めた後、シャンカルは他のダッバワラたちと合流するんや。空の弁当箱を渡して、他の3つを持っていってや。配達人にはそれぞれ配達ゾーンがあるんや。目的地によって弁当箱を交換するんやけど、これには最新のアルゴリズムを使ったシステムは必要ないんや。
この食事はどこに行くんや?それはCWや。何?CWや、BKCへ行くんや。各かごには複雑な文字と数字のコードが書かれてるんや。ダッバワラは文字が読めへんけど、驚くべきことにこれを解読できるんや。視覚的に覚えた数字なんや。そこに7、2、1って書いてあって、そうやって弁当箱を認識するんや。
この古風なシステムは間違いがほとんどないんや。ダッバワラはほとんど間違えへんのや。ハーバード大学でさえ、彼らがどうやってこれをやり遂げてるか理解しようと研究したくらいや。キャリアに66ポンド(約30kg)の弁当を載せて、113度(約45℃)の灼熱の中、ペダルを一回転させるのも拷問のようなもんや。だから、シャンカルは自分を励ますために歌を歌うんや。
私たちはムンバイのダッバワラ、ダッバワラやで!ちょうど正午に、最初の配達先に到着するんや。この若い会計士は、シャンカルのサービスに月12ドル払ってるんや。なんで家庭料理を食べるのがそんなに大事なんや?
女性たちが熱意とエネルギーを込めて作ってくれるからや。新鮮で温かくて、本当に健康的なんや。だから家庭料理の方が好きなんや。シャンカルは月に12,000ルピー、約163ドルを稼いでるんや。行くで、急いで、早く、電車に乗り遅れるで!これはムンバイの平均賃金の4分の1やね。でも、彼はこのきつい仕事を自分で選んだわけやないんや。代々受け継がれてきたんや。
祖父がこの仕事をしてて、それから父が加わったんや。それから私が加わって、父が2週間くらいかけてやり方を教えてくれたんや。少しずつ覚えていったんや。シャンカルと仲間のダッバワラは、毎年7300万食の食事を配達してるんや。ムンバイでは一部の古い伝統が続いてる一方で、巨大都市の他の部分は未来に向かって進んでるんや。アラビア海に面したバンドラ地区なんかがそうや。
木々の並ぶ通りや緑地、高級店、古い植民地時代の家や優雅な建物があって、この平和な避難所はボリウッド俳優やトレンディなアーティストに人気の地区なんや。この現代アートギャラリーの屋上で、32歳のジャニータがワークアウトの真っ最中や。私は完璧やないって分かってる。でも、まだ学んでる途中なんや。
ここまで来るのに何年もかかったんや。ジャニータはムンバイの上流社会の一員や。モデルやインフルエンサーとしてキャリアを積んでて、Instagramのフォロワーは9万人近くおるんや。正直言うて、ボンベイは夢の街なんや。運が良い人もおるんや。人生で何をしたいか見つけられたら、この街は本当に助けてくれるんや。
適切な人脈と方向性、経験があればな。仕事を始める前に、ジャニータは海辺を散歩するのが好きなんや。街で数少ない公害のない場所の一つやねん。ここはコントゥール・ルートっていうんや。もちろんバンドラにあって、シーフェイシングって呼ばれてるんや。朝も夕方もここにいるのがめっちゃ素敵なんや。特に夕日の時間はな。
ボンベイの中で全く違う場所にいるみたいな感じがするんや。1年前、ジャニータはビジネスウーマンになったんや。女性向けのファッションブランドを立ち上げたんや。このハーネスベルトとか、くるぶし丈のブーツ、バッグとか、全部ビーガンレザーで作ってるんや。彼女の現代的なデザインは、ますます多くのインド女性に人気が出てるんや。
まだまだ保守的なこの国で、ジャニータは変化をもたらしてることを誇りに思ってるんや。今では企業で働く女性がたくさんおるんや。より西洋化された女性たちや。インドの女性は、インド風の格好をしてても、瞬時に別の女性に変身できるんや。ドレスやバックレスのガウンを着た女性にな。
それがインドの女性とインドのファッションの美しさなんや。今朝、ビジネス仲間のスレンと会う約束があるんや。元気?ええよ、ありがとう。うわぁ、ここに来て確認するのをずっと待ってたんや。彼はこのおしゃれなカフェを開いたばかりで、ジャニータは最新のコレクションを見せたいんや。
これが私たちの商品の一部なんやけど… 男性向けのものはあるんか?すぐにサプライズがあるで。ボンベイは何でもできる街なんや。何でも少しずつあるから、何を計画しても全部うまくいくんや。適切に提示して世に出すことが大切で、彼女がまさにボンベイそのものなんや。
次にどこで会えるか分からへんな。無限の可能性を秘めたこの街で、一部のフランス人たちがこの経済の奇跡を活用してるんや。わずか330フィート(約100メートル)先で、アントニア、ジェレミー、ピエールが奇妙な儀式に参加してるんや。ヒンドゥー教の司祭であるパンディットが、この3人のフランス人の新しいパン屋を祝福してるんや。
これはプジャーって呼ばれるんや。プジャーはヒンドゥー教のお祈りなんや。場所を祝福して、商売繁盛を祈るのが目的なんや。この3人のフランス人は10年前にムンバイに移住してきて、街の魅力に引き寄せられたんや。彼らは信じられないほどの成功を収めたんや。パン屋に加えて、この起業家たちはオーガニックで地元の食材を使ったレストランチェーンを所有してるんや。
ヨーロッパでは人気のあるコンセプトやけど、インドではまだ目新しいもんなんや。彼らはとてもユニークなものを作り出して、食べ物の質も素晴らしいから、私たちは通い続けてるんや。それに彼ら自身も素晴らしいし。彼らはそれを努力なくやってのけてるみたいや。ストレスや緊張が全く見えへんのや。
まるで帝国全体を運営してるみたいやのに。良い食事、良い人たち。毎日、このフランス人起業家たちは自分たちのビジネスをチェックしてるんや。ある店から別の店に行くには、かなりの忍耐が必要なんや。12マイル(約19キロ)移動するのに1時間から1時間半かかることもあるんや。交通渋滞がひどくて、移動時間を上手く見積もらなアカンのや。
ここでは、パリよりも人々は会う時間に柔軟やね。みんな少し遅れて到着する習慣がついてしもたんや。その時間をメールを送ったり、電話をかけたりする機会として使ってるんや。私個人的には、その時間を睡眠に使ってるんや。3人で一緒に会議を開いてるんや。彼らが最後に開いたレストランは、バンドラ・クルラ・コンプレックスにあるんや。湿地帯に建てられた真新しい地区やね。
ここにはGoogle、Amazon、さらにはIBMといった大企業の本社があるんや。これは人々が街に対して持ってるイメージとは違うんやろな。ボンベイと言えば、狭くて混雑した通りを思い浮かべるやろ。こんな風に整備された巨大な超高層ビルがある街の姿は想像してへんやろな。でもここ数年で開発されたのがまさにこれなんや。
この地区に3つのレストランを持ってて、絶対にもっと増やすつもりや。だって、ここは街の中の街みたいなもんやからな。ここで働いてる人が100万人くらいおると思うんや。めっちゃ戦略的な場所なんや。ここでは、ビジネスマンやエグゼクティブ、金融関係者の購買力が高いんや。
彼らは1食平均12ドル使うんや。今朝行ったところと比べると、ここのお客さんは必ずしも地元の人やないんや。オフィスワーカーで、これらの人々はかなりスケジュールが決まってて、ホワイトカラーの労働者や。全体的に企業的で真面目な雰囲気やね。フランス人起業家のレストランのキッチンとダイニングエリアで働く200人のスタッフはインド人や。
彼らは新興中産階級の一部なんや。ダルシャンは事務職やね。2年前にキッチンを始めたんやけど、いろんな種類のパンとか、サワードウとか、たくさんのことを学んだんや。ここではオーガニック食品について知ったから、新しいコンセプトやったんや。ここで出す料理は本当に素晴らしくて、私にとっても新しいチャンスやったんや。
ムンバイの経済的なダイナミズムのおかげやね。ここに1つの軸を置いて、もう1つの軸をここに置くんや。ジェレミー、ピエール、アントニアは新しい地区にさらに10店舗ほどのレストランを開く予定なんや。人口が増え続けてるから、街は保護された自然地域にどんどん押し寄せてるんや。ムンバイの北部では、都市化が住民と野生動物の間に深刻な対立を引き起こしてるんや。
25,000エーカー(約101平方キロメートル)以上の面積を持つサンジャイ・ガンディー国立公園は、パリと同じくらいの大きさで、家々に囲まれてるんや。スラムは容赦なく荒野に侵入し続けてるんや。夜になると、公園に住むヒョウたちが住宅地に入り込んでくるんや。建物のロビーや駐車場に入ってくるんや。主に犬を狙うけど、時々人間も襲うことがあるんや。
公園の中心部で、ランジット・ジャダヴは7年間ヒョウの動きを見守ってきたんや。あそこやと思うわ、この場所や。ランジットは野生動物写真家や。彼の写真は世界的に有名なんや。同僚と一緒に、前の晩にカメラトラップで撮影した画像を回収してるんや。
赤ちゃんか、それとも大人のメスか?大人のメスやな。もっと先、もっと先…この画像を観察して、ランジットは獣たちがもう人の家の近くに寄ってくるのを怖がらんようになったと結論づけたんや。人の住んでるところのめっちゃ近くで撮影された映像や写真があるんや。ヒョウが去った数分後に人が歩いてる様子も撮れてるんや。
ムンバイの目の前にうろつくこれらの捕食者は、一般市民にとって心配の種なんや。公園の境界線にまたがるアラーイ・コロニーという地区では、約60家族が襲撃される恐怖と隣り合わせで暮らしてるんや。クルパ・タッカーは森林局で働いてるんや。前に来てや、子供たちに話すで。
日が暮れてからは外に出るなって何度も言うてるやろ。特に子供はな。夜に外で遊ばんって約束してくれたよな?地元の人たちはこのルールを守るのを渋ってるんや。子供たちに4、5回外に出て遊ぶなって言うてもな。でも、一部の子は聞かへんのや。うちの子にも何度も言うてるけど、聞かへんのや。
彼らは地方議会に街灯を設置して、夜にヒョウを見つけやすくしてほしいって要望してるんや。この地区には街灯が必要なんや。夜10時過ぎに仕事から帰ってくる人がたくさんおるんや。ここでヒョウを見かけるって1ヶ月前から苦情を言うてるのに。何もされへんかった。街灯1つ設置されへんかったんや。
クルパの同僚のソヌが地元の人々の怒りを鎮めようとしてるんや。街灯についての苦情は検討するけど、あんたらの方でも変えなアカンことがあるんや。まず、暗くなったら子供たちを家に入れることや。でも、住民たちはもっと抜本的な解決策を求めてるんや。
動物を檻に入れてほしいんや。ここにおる子供たち全員見てよ。なんでヒョウを捕まえへんのや?うちの子供たちが襲われるのを待ってるんか?罠を仕掛けても、ヒョウはいなくならへんし、他のヒョウが来るだけや。住民の怒りを鎮めるために、市はこれらの猫科動物の侵入を防ぐ特別な部隊を作ったんや。
スラムの真ん中におるんや。部隊のリーダーであるサントシュ・バニアは、怖がってる村人たちに呼ばれたところや。野生の猫がよくここに来て犬を襲うんや。先に進んで、もう少し先やな。サントシュと彼のチームは慎重に近づいてるんや。目が見えるか?懐中電灯を動かすと、すぐに目が光るんや。
懐中電灯をもうちょっと上げてみて。あれは犬やないな。あそこか?うん、あれは犬やけど、その後ろの目はヒョウやな。この地域に捕食者がいるにもかかわらず、1人の男がレンジャーに会いに来たんや。夜1人で歩き回るのは危険やで。そないに外出せんといてな。必ず棒を持ち歩いてや。
仕事から帰るのが夜10時のこともあるし、真夜中のこともあるんや。歩いて帰るんや。怖いけど、他に選択肢がないんや。次に道を渡る時は、携帯で音楽でも流してみ。それで寄ってこんようになるで。数分後、建物の周りは平和を取り戻したんや。ヒョウは臆病な動物で、最後の手段としてしか人間を襲わへんのや。
小さな子供は彼らの獲物と同じサイズやから攻撃するかもしれへんけど、それ以外は犬を狙うんや。人間には構わへんのや。レンジャーの存在がヒョウを怖がらせたみたいやな。いや、あれは犬や。行こうか。この安心させる言葉にもかかわらず、ここ数ヶ月で攻撃の数が急増してるんや。
マハーラーシュトラ州、ボンベイのある州では、2020年に24件の致命的な攻撃があったんや。ムトゥヴェルと妻は4年前、娘がヒョウに食べられてしまったんや。ほら、あそこや。あそこで娘の遺体が見つかったんや。ヒョウがここでうちの子をつかんで、丘の方に連れて行ったんや。
当時4歳のダルシャニは、夕暮れ時に家の前で遊んでたんや。両親が2日後に娘の遺体の残骸を見つけたんや。子供の体の残骸を全部見つけたんや。手の一部や足の一部もあった。頭も見つけたんや。爪にマニキュアを塗ってたから、それで娘だって分かったんや。
娘がめっちゃ恋しいわ。この悲劇的な出来事以来、ムトゥヴェルは常に警戒を怠らへんようになったんや。犬の鳴き声を聞いたらすぐ警戒するんや。家のドアを閉めて、誰も出さへんようにするんや。家族は今、通りをうろつくこれらの猫に対してめっちゃ怒ってるんや。怒ってるのは当然や。子供を失ったんやからな。
動物やってのは分かってるけど、うちの子やったんや。サンジャイ・ガンディー国立公園の中心にあるヒョウ保護センターでは、レンジャーたちの生活に絶え間ない咆哮の音が響いてるんや。このケージ開けてもええか?きれいそうやな。ムケシュ・モーレは、彼のチームが捕獲した約15頭のヒョウの世話をしてるんや。
ここでは、各ケージに殺し屋が住んでるんや。ここにおるヒョウはナーシク市から来たんや。人を襲ったから、罠を使って捕まえたんや。子供を殺したんか?そうや、子供を殺したんや。大人のヒョウの体重は130ポンド(約59kg)くらいしかないんや。でも、330ポンド(約150kg)の獲物を運べる優秀なハンターなんや。
都市部に近い地域では、彼らの食事の4分の1以上が家畜やペットから来てるんや。ムケシュ・モーレによると、ヒョウは地域の急速な都市化の直接の被害者なんやて。この対立では、人間に責任があると思うんや。人間が森から離れて、動物の生息地を奪わんようにすべきなんや。
人間とヒョウの間のこの対立は、ムンバイでさらに悪化する可能性が高いんや。十分な餌を与えられたヒョウは、人間との共存に完璧に適応してしもたんや。過去5年間で彼らの数は30%増加したんや。ムンバイは今後も森を押し戻し続けるみたいやな。2050年までに、このインドの巨大都市は4200万人の人口を抱える世界最大の都市になる可能性があるんや。
この映画の制作を終えてから、不動産ブローカーのババラル・ヴァルマは詐欺と横領の疑いで投獄されたんや。

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