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去年の今頃、ワイは2024年が量子コンピューティングのハイプがピークを迎えて衰退する年になるって予想したんや。今年も終わりに近づいてきたけど、予想なんかせんほうがええなと思うわ。なんでかっちゅうと、量子コンピューティングの状況は有望と不安定のスーパーポジションのままやからな。ほなら、ちょっと見てみよか。
約1年前、IBMが1000量子ビット以上の初めての量子コンピューティングチップを発表したんや。すごそうに聞こえるけど、なんか変やなと思ったんは、そのパフォーマンスについてほとんど何も言わへんかったことや。ちょっと怪しいんとちゃうか。
同時に、IBMは静かに量子コンピューティングの計画を修正したんや。IBMには量子ビット数を指数関数的に増やすっちゅう野心的なロードマップがあってな。来年には4000量子ビット以上、そして1万量子ビット、2026年以降はもっと増える予定やった。
新しいロードマップでは、IBMはそういう計画をバッサリ切り捨ててしもうたんや。新しい計画によると、少なくとも今後数年間は1000量子ビットのままで、その代わりにエラー訂正に焦点を当てるらしいで。
ワイが解釈するに、IBMの修正されたロードマップは、問題にカネをバンバン投げ込むのをちょっと控えめにしてきたんちゃうかなと思うわ。
カネの話といえば、量子コンピューティング企業のD-waveとRigettiは、ニューヨーク証券取引所から上場廃止のリスクがあると、また警告を受けたんや。株価が下がりすぎたからやね。
フォトンを使った量子コンピューティングを追求する最も有名な企業、PsiQuantumのニュースはまちまちや。彼らは10億ドル近い資金調達をしたんやけど、そのかなりの部分がオーストラリアの納税者のお金やねん。でも、彼らはカネを集めただけやなくて、多くの人の眉をひそめさせたんや。アメリカの企業やのにな。
オーストラリアの国会議員の何人かが、この投資が公金の適切な使い方かどうか調査を要求したんや。
ほなら、ええニュースも聞いてみよか。Googleは先月、エラー訂正で目覚ましい進歩を遂げたんや。ちなみに、GoogleはIBMと同じ超伝導量子ビットの量子コンピューティング技術を使ってんねん。
彼らは今回初めて、量子ビット数が増えるにつれて予想通りにエラー訂正が改善されることを実証したんや。量子計算にエラーが忍び込むのを防ぐために、各量子ビットを他の複数のビットとペアにするんや。これで冗長性ができるわけや。そしたら、一部の量子ビットを使って他のビットをチェックしてエラーを訂正できるんや。
問題は、量子ビットを増やすと新しいエラーも増えることやねん。だから、量子ビットをどんどん増やしていったら何が起こるかは、一見分からへんのや。エラーの総数が減るんか、それとも増えるんか。
大学の事務みたいなもんやな。最初は事務があって、それから事務のための事務ができて、そしてその事務事務のための事務ができる…これが改善になるかどうかは分からんよな。
まあ、少なくとも量子コンピューターに関しては、Googleのグループが初めて、量子ビット数を増やすにつれてエラーが指数関数的に減少することを実際に確認したんや。これはGoogleだけやなく、同じ技術を使うIBMにとってもええニュースやな。
ほなら、これら全部はどういう意味があるんやろか。IBMが量子ビット数を急いで増やさへん決定をしたのは、後退してるように聞こえるかもしれへん。でも、めっちゃ理にかなってるんや。だって、量子ビット数を増やすことが主な問題やないからな。問題は、数を増やしつつ、それでもその量子ビットを使えるようにすることなんや。
だから、装置を大きくするのにカネをつぎ込む前に、エラー訂正が実際に機能することを確認したいわけや。そして、デコヒーレンスによって蓄積されるエラーだけやない問題もあんねん。
これらのチップには内部ドリフトっちゅうのもよくあるんや。つまり、システムが勝手に変化してまうんや。量子ビットを個別に制御するのも難しいんや。一つを狙うと、隣のビットにも影響が出てまう。これはクロストークっちゅう問題として知られてるんや。これらは全部解決できる問題やけど、要するに量子コンピューティングは難しいんや。
ちなみに、動画を見るより読むほうが好きな人には、sciencewtg.substack.comでサイエンスニュースの文字版を用意してるで。
ワイが思うに、量子コンピューティングの最大のリスクは、それが機能せえへんことやないんや。商業的に面白いことができるくらいうまく機能させるのにかかるコストが、投資を正当化できへんくらい高くなることなんや。もしワイに商業利用できる量子コンピューターを作るコストを見積もれって言われたら、数百億ドルか、もしかしたら1000億ドル以上やと言うわ。大企業や政府でも簡単には用意できへん額やな。
ワイが言うたことが正しかったら、GoogleやIBMみたいな大企業は今後の投資にめっちゃ慎重になるやろ。一方で、量子コンピューティングのスタートアップは、投資家が信頼を失うまでどんどんカネを集めなあかんようになる。そうなったら、ゲーム全体が崩壊し始めるわけや。
これは、IBMとPsiQuantumで起こってることと一致してるな。だから、もしかしたら、ワイらは今、終わりの始まりを目撃してるのかもしれへん。とはいえ、これは急速に発展する分野やから、状況が好転する可能性もあるで。ちょっと時間がかかるかもしれへんし、数十億ドルくらいもっとカネがかかるかもしれへんけどな。
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