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おかえりなさい。ワシはマット・ケミストや。今日はどの化学物質が最悪の発がん物質かを決めていくで。
あんたもワシと同じように、発がん物質について考えたことあるやろ? 「これは発がん物質や」「あれは発がん物質や」言うて聞くけど、どの程度の発がん物質なんやろか? そして、それがどうやって発がん物質やと分かったんやろか?
IARCいう組織があってな、国際がん研究機関の略称や。これは国連の世界保健機関の一部を成す政府間機関なんや。IARCの役割は、がんの原因に関する研究を実施・調整することや。また、世界中のがん発生に関する監視データを収集・公開しとるんや。
彼らは本当にええ報告書を作っとって、すごく詳しいんや。これまでの科学的知見を全部まとめて、結論に至った過程が分かるようになっとる。実際、ワシはこの報告書の徹底ぶりに驚いてもうて、この機関に対する信頼度がグッと上がったわ。ええ仕事しとるなと思うて、お褒めの言葉を贈りたいぐらいや。まだ見たことない人は一度目を通してみるといいで。この動画の参考文献は全部説明欄に載せとくけど、ほとんどがIARCの報告書からの引用や。
具体的な化学物質の話に入る前に、ちょっと悪化因子について触れとこか。この一覧にある発がん物質のそれぞれについて、ワシは権威ある信頼できる情報源を選んだつもりや。ほとんどの物質について最新のIARC報告書があるけど、もっと新しいデータがある可能性もあるから、結論は塩ひとつまみで受け止めてな。
曝露経路と曝露量が、がんの発生率に影響するし、他にもいろんな要因があるんや。発がん物質への曝露を避けるのは常に賢明やけど、人生は複雑やからな。発がん性以外にも、毒性を考える上では他にもいろいろ考慮せなあかんことがあるんや。
それに、がんになったからって即死刑じゃないで。MedLife Crisisの動画でこの話題についてええ説明があるから、説明欄にリンク貼っとくわ。
人生には結果を左右する選択がたくさんあって、発がん物質の存在を受け入れざるを得ない場面もあるし、そういう判断が全然理にかなってる場合もあるんや。なぜかって? 量が少ないとか、今この瞬間にもっと差し迫った問題があるとかな。
ここでちょっと極端な例を出すけど、あくまで例え話やからあんまり真に受けんといてな。例えば、喉が渇いて死にそうな時に、慢性的な曝露でしか発がん性のない化学物質で汚染された水があったとしたら、今すぐ喉の渇きで死なんようにするのが先決やろ? だから汚い水でも一口飲むわけや。優先順位ってもんがあるんや。
もう一つの極端な例やけど、大気汚染で発がん物質が含まれとるかもしれんけど、窒息せんために呼吸せなあかんやろ? こういうのはあくまで例え話やけど、状況によっては発がん物質を受け入れざるを得ない場合もあるってことや。
ワシ個人としては、発がん物質への少量の曝露についてはそれほど心配してへんで。日々の生活の中にはもっと差し迫ったリスクがたくさんあるからな。リスクを取ることについて批判的に考えて、恐怖に駆られんようにせなあかんで。リスクを取ることに麻痺せんようにな。
人生はリスクを取ることや。賢明なリスクを取って、愚かなリスクは避けるんや。リスクを全く取らん人生なんて、生きる価値がないと思うで。世界が提供してくれる物語を体験せんのはもったいないやろ?
そう言うても、発がん物質への曝露は最小限に抑えるのがええで。発がん物質には悪化因子があるからな。より多くの発がん物質に曝露されたり、特定の遺伝的素因があったりすると、がんになる可能性が高くなるんや。
でも、こういうことは全て賭けや。リスクを最小限に抑えつつ、リスクを避けるためにあんたの人生を変えなあかんことも最小限に抑える、そのバランスが大事なんや。
さあ、始めよか。まずはアリストロキア酸1から行くで。
アリストロキア酸は、発がん性、変異原性、腎毒性のある植物化学物質のファミリーで、キンポウゲ科の開花植物に含まれとるんや。アリストロキア酸1は、このファミリーの中で最も豊富に存在する成分や。
アリストロキア科には、ウマノスズクサ属とカンアオイ属が含まれとる。これらは中国の伝統医学でよく使われとるんや。
これらの化合物は、腎臓の問題や肝臓、尿路上皮がんと広く関連付けられとる。尿路上皮がんいうのは、尿道や膀胱、その他の器官を覆う細胞のがんのことや。
アリストロキア酸を含む植物を薬用目的で使うのは長い歴史があるんや。古代では腎臓や尿路の問題、痛風、蛇咬傷、その他いろんな症状の治療に使われとった。効果的な避妊薬としても考えられとったんや。
なぜこれが発がん物質なんかって? がん抑制遺伝子TP53の変異を引き起こすと考えられとるんや。この変異はアリストロキア酸とその種類のがんに特有のもんやと思われとる。
中国医学でよく使われとるから、アジア、特に台湾で肝臓がんの発生率が高いのは驚かんやろ? これは2017年10月のScience Translational Medicine誌の研究で報告されとるんや。アリストロキア酸の変異シグナチャーがはっきりと見られたんや。これはベトナムや他の東南アジア諸国でも見られとる。ヨーロッパや北米の発生率と比べると、アジアの発生率はずっと高かったんや。
IARCはこれをグループ1の発がん物質に分類しとる。
IARCの発がん物質分類って何を意味するんやろか? IARCには4つの分類があるんや。グループ1、グループ2A、グループ2B、グループ3や。
グループ1は、ヒトに対して発がん性があるということや。発がん性の十分な証拠があるか、ヒトでの発がん性の証拠は十分でないけど、実験動物での発がん性の強力な証拠があり、曝露されたヒトでその物質が関連する発がん性メカニズムを通じて作用するという強力な証拠がある場合や。
グループ2Aは、おそらくヒトに対して発がん性があるということや。ヒトでの発がん性の限定的な証拠と実験動物での十分な証拠があるか、ヒトでの証拠が不十分で動物での証拠が十分な場合や。つまり、可能性は高いけど、もっと証拠が必要ってことやな。
グループ2Bは、ヒトに対して発がん性がある可能性があるということや。ヒトでの発がん性の限定的な証拠と実験動物での十分でない証拠があるか、ヒトでの証拠が不十分だけど動物での証拠が十分な場合や。
グループ3は、ヒトへの発がん性が分類できないということや。ヒトでの発がん性の証拠が不十分で、実験動物での証拠も不十分か限定的な場合や。あるいは、ヒトでの証拠が不十分だけど動物での証拠が十分やけど、動物での発がん性メカニズムがヒトには当てはまらないという強力な証拠がある場合や。これは、これらの物質の特定の発がん性メカニズムがヒトには適用できないってことを意味するんや。あるいは、他のグループに分類できない物質もグループ3に入るんや。
さて、グループ1に分類されとるからって、それがどれだけ悪い発がん物質かは分からんのや。全てはコンテキスト次第やからな。体には特定のがんに対処したり、腫瘍の形成を防いだりするメカニズムがあるんや。だから先ほど述べたがん抑制遺伝子の話が出てくるわけや。
要するに、グループ1に分類されとる物質は発がん物質で、曝露には注意せなあかんってことや。でも、日常生活でその発がん物質に曝露されることがないかもしれんし、どれだけ悪い発がん物質かは分からんのや。
アリストロキア酸に関しては、怪しげな薬を避けとけば、そんなに曝露されることはないと思うで。グループ1の発がん物質やけど、賢い消費者になることで曝露を軽減できるんや。これを含む植物は摂取せんようにして、FDAの勧告に従うんや。
2001年、FDAは消費者健康警告を出して、アリストロキア酸を含む伝統的な薬や栄養補助食品の原料として販売されとる植物製品の摂取を避けるよう呼びかけたんや。
これを避けとけば大丈夫やと思うで。ワシはこれをDランクに入れとくわ。知らんうちに曝露される可能性は低いからな。
次はアセトアルデヒドや。エタノールとしても知られとるな。最も重要なアルデヒドの一つで、自然界に広く存在するし、工業的にも大量に生産されとるんや。
アセトアルデヒドは、コーヒーやパン、熟した果物など、いろんなものに自然に含まれとるし、植物も作り出すんや。体内でも、肝臓の酵素エタノールデヒドロゲナーゼによるエタノールの部分酸化で作られるんや。これが、アルコールを飲んだ後に二日酔いを引き起こす主な原因の一つなんや。
曝露経路には、大気、水、土地、地下水、飲み物、煙草の煙などがあるな。粘膜や微生物によるエタノールの酸化から生じるアセトアルデヒド、煙草の煙、食事由来のものが、ヒトの上部消化管で累積的な発がん物質として作用するらしいんや。
飲み物としてエタノールを摂取すると、体内でアセトアルデヒドを生成する可能性があるから、グループ1の発がん物質なんや。つまり、エタノールの摂取、体内でのアセトアルデヒドの生成、がんの発生には強い関連があるってことや。
大気汚染物質としてのアセトアルデヒドは、グループ2Bの発がん物質や。ここでの課題は、がんのリスクをどれだけ増加させるかってことやな。
発がん物質であることは確認されとるんや。エタノールを大量に摂取する人のがんリスク増加と関連付けられとる。発がん物質、この場合はエタノールをより多く摂取するほど、実験動物でがんを発症する割合が高くなるんや。
まあ、エタノールに対する防御機能はあるやろうし、実験動物ほど人間は腫瘍ができやすくないかもしれんな。それでも、発がん物質として関連付けられとるんや。
発がん物質であることは確認されとるし、ほとんどの人が何らかの形でエタノールに曝露されとる。エタノールへの曝露を最小限に抑えるのは、みんながコントロールできることやな。
がんのリスクを高めるから、多分Bランクに入れられると思うで。このリストの他の発がん物質ほど発がん性は高くないんやけどな。
言うまでもないかもしれんけど、これらの発がん物質の順位付けは全て、IARCの報告書と自分のがんに対する理解に基づいとるんや。人生を大きく変えるような決断をする前に、必ず医師に相談してな。アセトアルデヒドをBランクに入れたからって、大量に摂取しても安全やとか、一生エタノールに触れんようにせなあかんとか、そういう意味やないで。
エタノールはどこにでもあるんや。パンにも常に含まれとるし、発酵したものなら何でも入っとる。だから完全に生活から取り除くことはできへんのや。エタノールはそこにあるもんや。だから、ある程度の耐性はあるはずやな。
ただ、ワシは生化学者やないから、発がん性の具体的なメカニズムについては詳しくないんや。化学的なメカニズムはよく分かるけど、この動画の目的は、どの化学物質が発がん物質で、IARCがどういう評価をしとるかを教育的に伝えることやからな。それ以外は娯楽目的や思ってもらえればええ。
次はアフラトキシンや。アフラトキシンは、特定のカビ、主にアスペルギルス属が産生する様々な有毒な発がん物質や変異原性物質のクラスなんや。ワシのカビ毒の動画で少し触れたことがあるな。
これらの菌は土壌や腐った植物、干し草、スイートコーン、小麦、米、唐辛子、綿実、ピーナッツ、木の実、ゴマ、ヒマワリの種など、様々な主食や食品に生えるんや。要するに、ほとんどどんな作物や食品にも関連する菌が生えるってことや。
これもIARCのグループ1の発がん物質で、ヒトにがんを引き起こす証拠があるんや。
個人的には、西洋世界では、カビの生えた食べ物を避けるのは簡単やと思うで。変な見た目の植物とか、カビの生えた食べ物があったら、食べんほうがええな。
アフラトキシンへの曝露ががんをどれくらいの頻度で引き起こすかは、測定が難しいんや。人生は複雑やからな。がんの発生と相関関係が証明されても、みんな生活スタイルが違うから、何がどう影響してがんができるのか、特定するのは極めて難しいんや。通常は複数の要因が重なって起こるもんやからな。
だからこそ避けることが重要なんや。アフラトキシンはおそらくAランクやな。カビをたくさん食べてたら、リスクにもっと曝されることになるからな。
次は4-アミノビフェニルや。これは聞いたことなかったんやけど、昔はゴムの酸化防止剤や様々な染料の中間体としてよく使われとったんや。
研究によると、4-アミノビフェニルはDNAを傷つけることで、ヒトやイヌの膀胱がんを引き起こすらしいんや。発がん性があるため、1950年代にアメリカでの商業生産は中止されたんや。
これもIARCのグループ1の発がん物質や。商業生産が中止されたから、現在この物質に曝露されるリスクは比較的低いと思うで。だからDランクに入れられるやろな。
ただ、昔の物を引き継いだりした場合のリスクについて気になるな。リンデンの話をする時にもう一度触れるわ。
次はアレコリンや。アレコリンは、ビンロウジュの実(ビンロウジという木の実)に含まれる、ニコチン酸をベースにした軽度の副交感神経刺激アルカロイドや。
アレコリンはニコチンと比較されることがあるんやけど、ニコチンはニコチン性アセチルコリン受容体に作用するのに対して、アレコリンは主にムスカリン性アセチルコリン受容体の部分作動薬なんや。
現在の科学では、ビンロウジュの実を噛むのは発がん性があると確信されとるんや。研究によると、おそらくアレコリン自体が原因の一部やけど、実の他の成分も関係してる可能性があるんや。噛んでる間に口の中でニトロソアミンの前駆体が形成されるんやな。
アレコリンはIARCのグループ2Bの発がん物質や。「2Bか、2Bじゃないか、それが問題だ」っちゅうわけや。答えは2Bやな。
Eランクに入れられると思うで。この珍しい実を噛まん限り、大丈夫やろ。曝露される可能性は低いんや。
次はアガリチンや。アガリチンは、ハラタケ属のキノコに含まれる芳香族ヒドラジン由来のマイコトキシンや。
アガリチン含有量は、キノコの種類や個体によって異なるんや。ヒトでの潜在的な毒性に関する研究はないんやけど、大量に与えると実験的に発がん物質として使われとるんや。
現在はIARCのグループ3の発がん物質や。つまり、ヒトでの発がん性を示す十分な証拠がないってことやな。だからFランクに入れるで。ただ、ヒトでの発がん性を確認するにはもっと研究が必要やな。
次はベンゼンや。ベンゼンは過去に評価が分かれてきて、研究が進むにつれてIARCの見解も変わってきたんや。
ベンゼンは石油の天然成分で、基本的な石油化学製品の一つや。実験室でよく使われる一般的な溶媒やけど、発がん性が懸念されて使用頻度は下がってきたんや。それでも、比較的よく使われとると思うで。ただ、昔みたいに手を洗うのに使うことはなくなったな。
掘削現場での更にひどい使い方の話も聞いたことあるで。溶媒で手を洗う習慣があった人がおるなら、コメント欄で教えてほしいわ。
ベンゼンの発がん性影響を理解する一つの方法は、生物学的酸化で生成される物質を調べることや。純粋なベンゼンは体内で酸化されると、ベンゼンオキシドっていうエポキシドを生成するんや。これは簡単には排出されず、DNAと相互作用して有害な突然変異を引き起こす可能性があるんや。
この代謝産物や他の代謝産物が、おそらくベンゼンの発がん性につながっとるんやろな。だからベンゼンは前発がん物質なんや。つまり、がんを引き起こすメカニズムが、酵素による発がん性代謝産物への変換に依存しとるってことや。
ベンゼンはIARCのグループ1の発がん物質や。ガソリンや燃料に少量含まれとるから、ほとんどの人がベンゼンに曝露されとるんやな。酸化されるとかなり強い発がん物質になるから、多分Bランクに入れられると思うで。
ある程度は曝露をコントロールできるし、発がん性は曝露レベルに大きく依存するんや。このリストにはもっと発がん性の強いものもあるからな。
次はベンジジンや。4-アミノビフェニルに似とるけど、アミノ基がもう一つ付いとるんや。
ベンジジンをビスジアゾニウム塩に変換するのは、昔はダイレクト染料、主にコンゴーレッドの製造で重要な工程やったんや。
昔はベンジジンを血液検査に使うてたんや。血液中の酵素がベンジジンを酸化して特徴的な青色の誘導体を作るんや。シアン化物の検査にも似たような反応性を利用したものがあるんやで。
ベンジジンと膀胱がんや膵臓がんの間には強い関連があるんや。IARCの報告書にもたくさんの例が載っとるで。
ベンジジンはIARCのグループ1の発がん物質や。最近はあまり使われんようになったから、もう少し軽く評価してもええかもしれんけど、ベンジジンへの曝露と膀胱がんの間には非常に強い関連があるから、Cランクに入れとくわ。
次はちょっと複雑な構造のベンゾ[a]ピレンや。ピレン類はたくさんあるけど、これは代表的な一つやな。
この遍在する化合物は、コールタールや煙草の煙、多くの食品、特にグリルで焼いた肉に含まれとるんや。
これの代謝産物であるジオールエポキシド、よく BPDEって呼ばれるやつやけど、これがDNAと反応して結合し、突然変異を引き起こして、最終的にがんになるんや。
煙突掃除人の陰嚢がん、いわゆる煙突掃除人がんは、すでに煤との関連が知られとったんや。
これも前発がん物質やな。焦げた食べ物は避けたほうがええで。食べ物が黒こげになっとるのは、黒い化学物質ができとるってことや。つまり、非常に共役が進んでるってことで、おそらくベンゾピレンが含まれとる可能性が高いんや。
だから前発がん物質は食べんほうがええ。これもBランクに入れられると思うで。悪いけど、焦げた食べ物を食べたことあるやろ? でも、まだがんになってへんやろ? だから、悪いのは確かやけど、焦げた食べ物を数回食べただけでがんになる可能性は極めて低いんや。曝露を最小限に抑えるのはええことやけどな。
次はほんまに怖いやつや。ビス(クロロメチル)エーテルっていうんやけど、これは通常、ホルムアルデヒドと塩酸を使う工程で副反応として偶然生成されるんや。
信じられへんかもしれんけど、この化学物質は昔、大規模に生産されとったんや。でも、高い発がん性が発見されて、生産は中止されたんや。
パラホルムアルデヒドとクロロスルホン酸と硫酸の混合物から工業的に製造されとったんや。また、ホルムアルデヒドと塩酸を混ぜると形成されるブランクのクロロメチル化反応の副生成物としても生成されとった。技術グレードのクロロメチルメチルエーテルを買うと、これも不純物として含まれとるんや。
問題は、この酸素に孤立電子対があって、隣接する炭素に電子を押し付けてオキソニウムイオンを形成するんや。このオキソニウムイオンは極めて強い求電子剤で、これは酸素マスタードや。誰も思いつかんようなアルキル化をするんや。両側にあるから、細胞の部分をランダムにアルキル化して、それらを結合させるんや。
これはほんまにひどいで。Sランクや。
次はクロロメチルメチルエーテルや。基本的に同じやけど、片側にメチル基があって、もう片側にクロロメチル基があるんや。
これと前のやつは両方ともIARCのグループ1の発がん物質や。有機化学のメカニズムを知っとる人なら、α-クロロエーテルを見たら、これが極めて毒性が高いって分かるはずや。
これの別名は「MOMクロリド」や。家にあるクロリドやな。ありがとう、お母さん。これもSランクに入れられるで。
次は、ブタジエンや。1,3-ブタジエンは合成ゴムの工業的前駆体として重要なんや。
長期的なブタジエンへの曝露は心血管疾患と関連付けられとるし、白血病との一貫した関連や、他のがんとの有意な関連も見られとるんや。
これもIARCのグループ1の発がん物質や。ブタジエンのようなモノマーへの曝露を避けとけば、ほとんどリスクは避けられると思うで。これはBランクに入れとくわ。これらへの曝露はある程度避けられるからな。
アセトアルデヒドはもう少し厳しく評価してもええかもしれんな。Aランクに戻そうか。アセトアルデヒドに曝露されるリスクのほうが、1,3-ブタジエンよりは高いと思うで。
次はシクロスポリンや。シクロスポリンはカルシニューリン阻害剤で、免疫抑制薬として使われる薬や。天然物で、関節リウマチ、乾癬、クローン病、ネフローゼ症候群、臓器移植後の拒絶反応予防のために経口や静脈内投与されるんや。
シクロスポリンはIARCのグループ1の発がん物質に分類されとる。つまり、ヒトでの発がん性の十分な証拠があるってことや。特に扁平上皮皮膚がんや非ホジキンリンパ腫を引き起こす可能性があるんや。
これは面白い例やな。実際に使われとる正当な医薬品やけど、同時に発がん物質でもあるんや。時には本当に役立つ用途があるものでも、同時にリスクも伴うことがあるってことや。シクロスポリンを使うことのコストは、発がん性が高まる、つまりがんのリスクが増えるってことやな。
ワシは生物学者やないけど、免疫抑制薬やから、他のがんが抑制されずに形成されるんやないかと推測するで。免疫システムがそれらの腫瘍と戦えんようになるからな。
シクロスポリンはAランクに入れとくわ。もし深刻な病気でこれを服用しとるなら、がんの発生率が上がるリスクを負うことになるからな。
次は1,2-ジクロロプロパンや。これはエピクロロヒドリンの工業生産の副産物で、エピクロロヒドリンは工業的に大量に生産されとるんや。
昔は土壌くん蒸剤として使われとったし、工業用溶剤としても使われて、ペイント剥離剤や、ワニス、家具仕上げ剥離剤にも含まれとったんや。でも、日本の印刷会社の従業員に胆管がんの症例が何件か見つかってから、これらの用途のいくつかは中止されたんや。
2013年3月に日本の厚生労働省が調査した結果、これらの症例は1,2-ジクロロプロパンを含む洗浄剤の使用が原因である可能性が高いって結論づけたんや。
動物実験のデータでは、肝臓や乳腺に腫瘍が成長することが示されとる。吸入毒性のデータを含む更なる動物実験から、米国立労働安全衛生研究所は1,2-ジクロロプロパンを発がん物質に分類し、IDLH(即時生命健康危険)物質に指定したんや。
これはIARCのグループ1の発がん物質や。
よく人はホームセンターで製品を使うけど、含まれとる化学物質のリスクについて考えへんよな。ワシ個人としては、企業は常に全ての成分を表示すべきやと主張したいんや。消費者が情報に基づいて選択できるようにするためにな。
企業が儲けを出すことや経済で生き残ることよりも、消費者が安全な選択をできることのほうが重要やと思うんや。ワシなら常に成分が表示されとる製品を選ぶで。そうすれば何に曝露されとるか分かるからな。
ほとんどの場合、どの溶剤が最適かっていう研究は山ほどされとるから、企業は何が入っとるか知っとるんや。ただ、教えんことを選んどるだけなんや。表示せんかったら。
もし今から10年か20年後に、みんなが使っとる別の一般的な溶剤が発がん物質やって分かったら、これまで買った全てのボトルに表示されてへんかったことにすごく腹が立つやろ? 今頃になって「ワシの車庫にそんなもんあるんかな?」って考えとると思うけど、表示されてへんかったら誰も分からへんのや。ほんまにひどい話やな。
1,2-ジクロロプロパンもAランクに入れとくわ。2つのクロロアルキル基があって、それらがアルキル化剤として作用してる可能性が高いからな。
ところで、1,2-ジクロロプロパンがスライドで問題になるのに、スクラロースでは問題にならんのはなんでやろか? もし誰か、スクラロースの塩素基が問題にならんのに、1,2-ジクロロプロパンの塩素基が問題になる理由を説明できるなら、コメント欄かDiscordで教えてほしいわ。
次はジエチルスチルベストロールや。これは非ステロイド性エストロゲン薬や。ここでエストロゲンとこの薬の構造の違いを見せるわ。
現在はほとんど使われへんけど、昔は様々な用途で広く使われとったんや。流産を繰り返す人の妊娠サポートや、更年期障害の症状のホルモン療法、エストロゲン欠乏症、前立腺がんや乳がんの治療なんかやな。
2007年までには前立腺がんと乳がんの治療にしか使われへんようになったんや。それは1971年に、DES(ジエチルスチルベストロール)が、子宮内でこの薬に曝露された人に、まれな膣腫瘍である明細胞がんを引き起こすことが示されたからや。つまり、お母さんがこの薬を飲んでる時に赤ちゃんやったら、まれな形の膣腫瘍になる可能性があるってことやな。
これはIARCのグループ1の発がん物質や。こういうエストロゲン様の化学物質の中には発がん物質になるものもあるんや。
現在は使用が限られとるから、Bランクに入れとくけど、発がん物質としてのリスクがあるのは明らかやな。だからこそ、もうあまり使われへんようになったんや。
次はエチレンオキシドや。エチレンオキシドについては「どの化学物質が最もリスキーか」っていう動画で話したな。
2003年の研究では、商業用滅菌施設で働いとる6,576人の女性が職場で曝露されとったんや。これらの人々は微生物汚染の可能性をなくすために物を滅菌しとったんや。エチレンオキシドは一般的に滅菌に使われる方法やな。
この研究では、エチレンオキシドが乳がんの発生と関連があるって結論づけられたんや。
ヒトと動物の研究から、エチレンオキシドを吸入曝露すると、幅広い発がん性の影響が出る可能性があるってことが分かっとる。だから、これがIARCのグループ1の発がん物質に分類されとるのは驚かんやろ。
ワシはこれをAランクに入れとくわ。エチレンオキシドで滅菌作業をしとる人にはかなりのリスクがあると思うからな。でも、ほとんどの人にとってはおそらく問題にならんやろ。
次はホルムアルデヒドや。ホルムアルデヒドには多くの用途があるんや。1996年の時点で、ホルムアルデヒドの生産能力は年間870万トンと推定されとったんや。
主に工業用樹脂の生産に使われとる。例えば、コーティングやパーティクルボードなんかやな。
CDCはホルムアルデヒドを全身毒として考えとる。ホルムアルデヒド中毒は神経系の機能に永続的な変化を引き起こす可能性があるんや。研究では、ホルムアルデヒドへの曝露と白血病、特に骨髄性白血病の発生に正の相関があることも示されとるな。
ホルムアルデヒドは比較的一般的なアレルゲンでもあるんや。シャンプーなんかにも、ホルムアルデヒドヒダントイン誘導体ってのがよく入っとる。その構造を画面に表示するわ。これはゆっくりとホルムアルデヒドを放出して微生物の成長を防ぐんや。
ホルムアルデヒドはIARCのグループ1の発がん物質や。だから、これがまだこんなに多くの消費者製品に使われとるのは、ちょっと驚きやな。
ホルムアルデヒドはどこにでもあるんや。独特の臭いがあって、一度嗅いだら忘れられへんで。そして、非常に強い求電子剤で、アルデヒドみたいにすぐに重合しようとするんや。おそらく、さっき見たビス(クロロメチル)エーテルみたいに、いろんなものを架橋してるんやろな。
将来的にはホルムアルデヒドの使用が減ると予測しとるで。昔は食品の保存期間を延ばすのに使われとったけど、それが悪いアイデアやったって研究結果が出てきたんや。まだシャンプーとかに使われとるなら、ちょっと心配やな。もしかしたら、そういう使い方も減らすべきかもしれんな。
ホルムアルデヒドはBランクに入れとくわ。まだかなり一般的に使われとるからな。フリーのホルムアルデヒドとしてやなくて、ホルムアルデヒド前駆体として使われとるかもしれんけど。ゆっくりとホルムアルデヒドを放出するものが消費者製品に入ることが許されとるなら、許容レベルやと信じたいけどな。
ちなみに、IARCの人が聞いとるなら、そのヒダントイン説についてしっかり調べてほしいわ。世界中の消費者がこれらの製品からより多くのホルムアルデヒドに曝露されとるなら、がんの発生率が上がる潜在的なリスク要因になる可能性があるからな。
次はリンデンや。リンデンは、トムが最近の抽出に関する動画で少し触れた化学物質や。説明欄にリンクを貼っとくから、まだ見てへん人は見てみてな。
リンデンは農業用殺虫剤としても、シラミやヒゼンダニの治療薬としても使われてきた化学物質や。世界保健機関はリンデンを中程度に有害な物質に分類しとって、国際取引はロッテルダム条約の事前通報承認手続きで制限・規制されとるんや。
この化学物質が間違いなく発がん物質かどうかについては、組織間で議論があるんやけど、IARCはグループ1の発がん物質に分類しとるんや。
リンデンのような重度に塩素化された物質は、悪いことをするのに超毒性があるんや。だからこそ用途があるんやけどな。悪いことをしとるんやから、使用を減らすべきやと思うで。
ほとんどの場合、両親や祖父母が持っとる古い殺虫剤や農薬を使わんようにしとけば、これにあまり曝露されることはないと思うで。だからBランクに入れとくわ。まだかなり悪いけど、知らんうちに曝露される可能性はあるからな。
次はメトキサレンや。これは乾癬、湿疹、白斑(皮膚の色素が斑点状に失われる病気)、一部の皮膚リンパ腫の治療に使われる薬や。ランプや日光からの紫外線、特にUVAに皮膚を曝す治療と併用されるんや。
この化学物質は、UVAがある場合にのみ発がん物質になるんや。つまり、UVAから離しとけば、全く発がん性はないはずなんや。
いくつかの植物では天然物として見つかっとるんや。UVAを含む光と組み合わさると発がん物質になるんや。
じゃあ、これはどこに分類すればええんやろか? 暗闇に置いとけば、Fランクでええんやけどな。だからFランクに入れとくわ。でも、もしこれを薬として飲んでて、外で時間を過ごすなら、一気にSランクに上がるで。
次はちょっと変わった見た目の4,4′-メチレンビス(2-クロロアニリン)や。これはポリウレタンの製造で硬化剤として使われる物質や。略称はMOCAって言うんや。
これは芳香族アミンで、構造的にはベンジジン(あの有名な膀胱発がん物質)に似とるんや。ベンジジンとMOCAを見ると、全然違うように見えるかもしれんけど、構造的にはものすごく似とるんや。両端にアミノ基がある棒みたいなもんやからな。これは柔軟性のある棒なんや。
動物実験では肝臓、肺、膀胱に腫瘍が成長する結果が出とるんや。
これはIARCのグループ2Bの発がん物質で、発がん性はまだ決定中やな。おそらくEランクに入れられると思うわ。ベンジジンや4-アミノビフェニルでがんが引き起こされる明確な研究結果があるけど、ヒトでの強い証拠はまだないからな。構造的にはすごく似とるんやけどな。
次は2-ナフチルアミンや。2-ナフチルアミンは以前アゾ染料の製造に使われとったんやけど、発がん性が知られるようになって、ほとんど毒性の低い化合物に置き換えられたんや。
2-ナフチルアミンはタバコの煙にも含まれとって、膀胱がんの発生に関与してる疑いがあるんや。
これもIARCのグループ1の発がん物質や。だから、タバコを吸うとこれに曝露される可能性が高くなるんや。できるだけタバコは吸わんほうがええで。
「できるだけって何や?」って思うかもしれんけど、まあ誰にも分からんことやからな。
2-ナフチルアミンがタバコの煙に含まれとるってことは、比較的高いリスクやと思うんや。だからAランクに入れとくわ。子供たちよ、タバコは吸うなよ。
次はNNNや。11月やないけどな。これはN-ニトロソノルニコチンっていうんや。タバコ特有のニトロソアミンで、タバコの乾燥や加工中に生成されるんや。
NNNとヒトのがんの関係を適切に調査した研究はないんやけど、実験動物でがんを引き起こす十分な証拠があるんや。
NNNは、タバコの乾燥や熟成中、そして喫煙中にノルニコチンがニトロソ化されて生成されるんや。ニコチンの構造を見ると、通常はここにメチル基があるんやけど、ニコチンの脱メチル化でノルニコチンが形成されると、このニトロソアミンができるんや。このニトロソアミンは非常に発がん性が高いんや。
おおよそ半分のN-ニトロソノルニコチンは未燃焼のタバコに由来して、残りは燃焼中に形成されるんや。
ワシの推測やけど、新しいニコチン塩も同じようなことをしてる可能性があるんや。ニコチンが塩の形になってるから、ノルニコチンができやすくなってるんやないかな。ノルニコチンはN-ニトロソノルニコチンを形成しやすいんや。だから、フリーベースのほうがこの問題は少ないかもしれん。アミン基がプロトン化されてないから、メチル基が切れにくいんやろうな。
ただ、これを明確に示す研究はまだないと思うで。ただのワシの推測やからな。
N-ニトロソノルニコチンはIARCのグループ1の発がん物質や。これはSランクに入れられるわ。喫煙者が肺がんになるのはよく知られとるけど、これがその主な理由の一つなんや。
次はNNNみたいなやつで、NNKって呼ばれとる4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノンや。
これを見ると、N-ニトロソノルニコチンと全然違うように見えるかもしれんけど、化学者から見たらほぼ同じなんや。ここの違いは、ニコチンのメチル基がまだ付いたままで、ピロリジン環の窒素基が開いてケトンになっとるだけなんや。
電子タバコを使うとニコチンがNNKに変わることはないんや。温度が低いからな。でも、温度の高い高級な電子タバコを使ったり、ニコチン塩を使ったりすると、NNNやNNKの形成に寄与する可能性があるんや。ただ、これはまだワシの推測の段階やけどな。
これもIARCのグループ1の発がん物質や。がんを引き起こすんや。これもSランクに入れられるわ。ニトロソ基は悪いニュースやな。
悪いニュースといえば、2,3,4,7,8-ペンタクロロジベンゾフランや。ちょっと聞き慣れんけど、ポリ塩化ジベンゾフランは環境中に遍在する汚染物質で、ヒトが曝露される可能性が高いんや。
この毒性を調べるために、いろんな量のこれをラットに一回投与する実験が行われたんや。投与から3日後には、用量に応じて体重が減少していくのが明らかになったんや。毒性の兆候には、立毛(寒さに反応して毛が立つこと。人間でも寒いときに鳥肌が立つのと同じや)、脱毛、活動低下、病的状態、そして死亡があったんや。
死亡は投与後14日目くらいから始まって、35日間の観察期間中ずっと続いたんや。
これはIARCのグループ1の発がん物質や。こういう塩素化された酸素含有ベンゼン類は大抵ろくなことがないんや。これはSランクに入れられるわ。
次はペンタクロロフェノールや。これはちょっと聞き慣れんけど、化学実験室では今でも時々見かけるんや。
これは有機塩素化合物で、農薬や殺菌剤として使われとったんや。
大量のペンタクロロフェノルに短期間曝露すると、肝臓、腎臓、血液、肺、神経系、免疫系、消化器系に有害な影響を及ぼす可能性があるんや。
ペンタクロロフェノルへの曝露でよく見られる副作用には、体温上昇、大量の発汗、協調運動障害、筋肉のけいれん、昏睡状態などがあるんや。
1980年代初頭から、アメリカではペンタクロロフェノルの購入や使用は一般の人には認められへんようになったんや。
今日では、ペンタクロロフェノルのほとんどは電柱や鉄道の枕木の処理に限定されとるんや。これはちょっと面白いと思うんやけど、まだ使われとるんやな。害虫は常に問題やからな。橋やそれに似た構造物もこの化学物質で処理されることがあるんや。
最後に、ペンタクロロフェノルへの曝露は、発がん性、腎臓への影響(腎臓が影響を受けるってことや)、神経学的影響と関連付けられとるんや。
IARCはペンタクロロフェノールをグループ1の発がん物質に分類しとるんや。
ペンタクロロフェノールは発がん物質やけど、鉄道の枕木なんかにも使われとるんや。でも、鉄道の枕木をペロペロしない限り大丈夫やと思うで。もし枕木をペロペロしとるなら、他にも問題があると思うけどな。だからAランクに入れとくわ。
次はダイオキシンや。実際、これは2,3,7,8-テトラクロロジベンゾパラダイオキシンっていうダイオキシンなんや。
これは主に、有機物の燃焼過程や有機合成の副産物として望まれずに生成されるんや。
この化学物質自体は直接的に突然変異を引き起こしたり遺伝毒性があったりするわけやないってのは広く合意されとるんやけど、主な作用は他の化合物によって始まったがんを促進することなんや。
ここで本当に気持ち悪い写真を見せるわ。警告するで。テレビから離れられへんなら、ちょっと休憩を入れるわ。10秒か15秒くらい休憩するで。そう、ただ何かについて話しとるだけや。ここは飛ばしてもええ部分やで。気持ち悪いものを見たくない人は飛ばしてな。
さあ、気持ち悪いものを見せるで。これはクロルアクネって呼ばれとるんや。実際、この動画では見せんことにしたわ。でも説明欄にリンクを貼っとくで。ほんまに気持ち悪いんや。誰も見るべきやないわ。説明欄に貼った写真は見んほうがええで。かなりひどいもんや。一度見たら忘れられへんで。
前回の警告を聞いた人は、神経剤ランキングの動画でウサギの動画をクリックせんかった人やと思うけど、クリックせんでよかったと思っとるやろ。「クリックすべきやったんかな?」って思ってる人もおるかもしれんけど、クリックすべきやなかったんや。これもクリックすべきやないで。でも、見たい人のために説明欄にリンクを貼っとくわ。かなり気持ち悪いで。
さて、これはがんの促進に関わっとるんや。これもARCのグループ1の発がん物質や。これもSランクに入れられるわ。
次は面白いのがいくつかあるで。フェナセチンについて話そか。フェナセチンは痛みを和らげ、熱を下げる薬で、1887年に導入されてから広く使われとったんや。
残念ながら、これは基本的にタイレノールに酸素からエチル基が突き出たものなんや。これがタイレノールの構造で、これがフェナセチンの構造や。
動物モデルでは、フェナセチンには副作用や後遺症として発がん性があることが示されとるんや。ヒトでは、フェナセチンを含む製品が尿路上皮の新生物、特に腎盂の尿路上皮がんと関連付けられた症例報告がたくさんあるんや。
フェナセチンの代謝では、少数の場合にアミンからアセチル基が取れて、パラフェネチジンっていう化学物質ができるんや。これは単にNH2基にパラエトキシ基がついただけのものや。これが実際に発がん性があるんや。だからフェナセチンは前発がん物質なんや。
これはIARCのグループ1の前発がん物質や。これはAランクに入れられるわ。
さあ、本当にひどいのがいくつか残っとるで。マスタードガスについて話そか。
いつかマスタード剤について詳しい動画を作るつもりやけど、硫黄マスタードは、マスタード剤として知られる細胞毒性物質や水疱剤のファミリーに属する化合物や。マスタードガスは水疱剤として戦争で使用された長い歴史があって、そういう物質の中で最もよく研究されとるんや。
露出した皮膚や肺に大きな水疱を形成することがあって、長期の病気を引き起こし、最終的に死に至ることがあるんや。マスタードガスは極めて毒性が高くて、強力な水疱作用がある。アルキル化能力があるから強力な発がん性があって、汚染された地域が完全に正常に見えることもあるんや。被害者は知らずに24時間以内に高用量を受けることがあるんや。
被害者は激しい痒みと皮膚の刺激を経験するんや。この刺激を治療せんと、物質が皮膚に接触した場所に黄色い液体で満たされた水疱ができ始める可能性があるんや。これらの化学火傷は非常に衰弱させるものや。
それでも、硫黄マスタードは化学療法で使うこともできるんや。化学療法剤についての別の動画を作っとるところで、近いうちに公開できると思うで。
硫黄マスタードは恐ろしいもんや。戦争用の物質で、急性および慢性の問題を引き起こす。極めて発がん性が高い。硫黄マスタードやから、Sランクやな。
あと3つ化学物質が残っとるで。オルト-トルイジンや。オルト-トルイジンは、ハミルトンの薬理学の最初のエピソードで初めて知ったんや。そのエピソードはメタカロンの密造合成について議論しとったんや。
オルト-アミノトルエンは多くの目的で一般的な構成要素やけど、チトクロームP450が媒介するN-水酸化でN-ヒドロキシ-オルト-トルイジンになるんや。これが発がん性代謝物なんや。これは肝臓で形成されて、オルト-ニトロソトルエンに代謝されるか、グルクロン酸や硫酸と結合して血液を通じて尿路に運ばれるんや。
いったん膀胱に入ると、酸性の尿環境で結合物から放出されて、DNAと反応するか、細胞質のスルホトランスフェラーゼやN-アセチルトランスフェラーゼによって硫酸化やアセチル化で生体活性化される可能性があるんや。これが膀胱がんを引き起こす理由やと思われるんや。
実際、そのエピソードで密造化学者が自分の尿に血が混じっとるのを見たのは本当にショッキングやったな。
「ここに血が…尿に血が混じっとる」
「ああ、膀胱がんを引き起こすことが知られとるんや」
「血液がん?」
「膀胱がんや」
これはかなり怖いもんや。オルト-トルイジンはヒトの発がん物質として知られとるものに変更されたんや。特に膀胱がんとの関連が強いんや。
オルト-トルイジンの発がん性のメカニズムは完全には理解されてへんけど、利用可能な証拠は複雑で、いくつかの重要な作用モードが関与してることを示唆しとるんや。DNAやタンパク質に反応性代謝物が結合する代謝活性化、突然変異原性、酸化的DNAダメージ、染色体損傷、細胞毒性なんかやな。
これはIARCのグループ1の発がん物質や。これは直接Sランクに入れられるわ。
あと2つ残っとるで。トリクロロエチレンとビニルクロリドや。ビニルクロリドが2つあるんやな。
まず、トリクロロエチレンや。これはハロカーボンで、一般的に工業用溶剤として使われとるんや。
米国国立がん研究所が行ったがんのバイオアッセイの研究では、トリクロロエチレンへの曝露は動物で発がん性があることが示されたんや。マウスでは肝臓がん、ラットでは腎臓がんを引き起こすんや。
トリクロロエチレンの健康リスクは広範に研究されとるんや。米国科学アカデミーは、トリクロロエチレンへの曝露による発がんリスクや他の潜在的な健康被害の証拠が強化されたと結論づけたんや。
米国環境保護庁(EPA)は、トリクロロエチレンへの曝露に関連する健康影響について、科学的知見の現状のレビューを後援したんや。
これはIARCのグループ1の発がん物質や。工業用溶剤としてよく使われとるから、水の流出で一般的な汚染物質になっとるんや。今後はこれへの曝露を最小限に抑えられることを願うで。これはAランクに入れとくわ。
最後やけど重要なのがビニルクロリドや。この無色の化合物は、ポリ塩化ビニル(PVC)としても知られるビニルの製造に重要なモノマーなんや。ビニルレコードを持っとる人は、ポリ塩化ビニルのことやね。これに気づくのに随分時間がかかったわ。
ビニルクロリドは既知のヒト発がん物質で、まれな肝臓がんを引き起こすんや。また、まれな血管肉腫や脳腫瘍、肺腫瘍、悪性の造血リンパ系腫瘍のリスクも高めるんや。
これも別のIARCのグループ1の発がん物質や。モノマーの周りで作業しとると、このまれな肝臓がんになる可能性があるんや。
肝臓のまれながんってことは、発生率は比較的低いってことを示唆しとるんやないかな。だから、モノマーのビニルクロリドの周りで作業せん限り、おそらくあまり曝露されることはないはずや。
さて、これで日常生活で曝露される可能性のある様々な発がん物質について議論する、興味深い動画になったと思うで。ワシは公衆衛生に関わるトピックを取り上げるのが好きやし、今後もこれに似たような動画をもっと作りたいと思っとるんや。
視聴してくれてありがとう。ええ一日を過ごしてな。
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