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アメリカの首都で2021年に1月6日の襲撃があってから、ちょっと気になる傾向に気付いたんです。アメリカ人が自分らの国は民主主義やないって言い張って、共和制やって主張するようになってきたことです。これが気になるんは、第二次世界大戦後、連合軍、特にアメリカ人が、次世代のドイツ人に民主主義とは何か、なんでそれを守る必要があるんかについて、しっかりした教育を受けさせるように努めたからなんです。
もしかしたら、自分らの国でもそないなことをしとくべきやったんかもしれませんな。そしたら今、こんな微妙な状況にはなってないと思うんです。ほな今日は、民主主義と共和制の違いについて、そして完全に偏見のない私の意見として、なんでアメリカとイギリスの投票システムがドイツのんより劣ってるんか、また議員をランダムに選んだ方がええんちゃうかについて、ちょっと説明させていただきます。
デモクラシー(民主主義)いうのはギリシャ語から来てて、文字通り「人民による統治」という意味です。今日では、政府は人民によって選ばれ、一人一人の投票が同じ価値を持つということを意味しています。これは言うたら、その人の投票の重要性が、その人の富の程度に左右されたらアカンということです。そうでないと、議員を選挙で選ぶんやなくて、買うことになってまいます。
まあ、皮肉屋さんやったら、SNSプラットフォームで候補者を宣伝する大富豪は、まさにそれをしてるんちゃうかって言うかもしれませんけど、そこはちょっと置いときましょか。現存する民主主義は全て代議制で、つまり人々は通常数百人ほどの議員を選び、その議員らの仕事は選挙民に生中継されながら、議論中に居眠りすることになるわけです。
すんません、ちょっと言い直させていただきます。議員らの仕事は、法律や政策の細かい部分を整理することです。これは基本的に労働の分業ですわ。私は机で寝て、政治家は議会で寝る、そうやってみんな公平に分担するわけです。全員が全ての机で寝るいうんは意味がありませんからね。ほな、代表制ということで。
民主主義の国では普通、ある特定の決定は直接国民によって行われます。国によってその程度は様々ですけど。スイスはおそらく現存する中で最も直接民主制に近い国でしょうな。でも、より直接的なものからより代議制的なものまでスペクトラムがあって、それぞれの国が自分らのやり方でやってるわけです。
実際、民主主義が正確に何を意味するかについては合意がありません。例えば中国では、与党が承認した候補者にしか投票できません。中国人はそれを民主主義やと言うてます。一方、共和制(リパブリック)というのはラテン語の「レス・プブリカ」から来てて、「人民の事柄」という意味です。
これは、国家には人民を代表する政府があって、政府のメンバーは世襲で地位を継承したわけやないということを意味します。共和制と民主主義の違いは、共和制やからといって必ずしも代表者が人民によって選ばれたわけやないということです。国家を共和制と呼ぶのは、君主制と区別するための方法やったんです。
アメリカもドイツも民主主義であり、連邦共和制です。一方、イギリスは民主主義ですが、単一議会制立憲君主制です。基本的に、国家は共和制でありながら民主的でない場合もあれば、民主的でありながら共和制でない場合もあるわけです。アメリカとドイツはたまたま両方なんです。
この時点で共和制の部分を強調するのはちょっと冗長です。だって君主はもうほとんど残ってへんし、ほとんどの人はこの文がチョウチョのことやと思うでしょう。でも、地球上で最も非民主的な国でさえ、普通は民主的なふりをします。コンゴ民主共和国や北朝鮮みたいにね。
ほな、なんでアメリカの共和党員は自分らの国は民主主義やなくて共和制やって主張しようとするんでしょう?まあ一つの説明としては、民主主義も共和制も理解してへんということです。もう一つの説明は、民主主義的な規範への攻撃を、そういう攻撃は憲法に適ってるって言うて事前に言い訳しようとしてるということです。
これがなんで起こるかについての興味深い洞察が、去年ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビアというジャーナルで発表された研究から得られます。研究者らは約2000人のアメリカ人成人のサンプルを集めました。すごいですね。そんなにおるんやって知りませんでした。
研究者らは参加者を共和党支持者と民主党支持者に分けて、民主主義を犠牲にしてでも自分らの党に利益をもたらす行動を支持するかどうか尋ねました。例えば、対立政党が人気のある地域の投票所の数を減らすことを支持するかどうかとか。
あるいは、対立政党を支持するSNSアカウントを禁止することを支持するかどうかとか聞きました。そして、相手側がどう答えると思うかも尋ねました。結果として、民主党支持者の方が若干民主主義を犠牲にする傾向が強く、両党とも相手側は自分らよりもずっと反民主主義的やと思ってることが分かりました。でも最も興味深いのは、相手側をより反民主主義的やと見る参加者ほど、自分も民主主義を損なう行動をする傾向が強かったということです。
これが、一方の党が相手側を反民主主義的やって非難する理由を説明してると思います。自分らの反民主主義的な行動を正当化するためにそうするんです。これは各党が相手より先に民主主義を破壊しようとする競争みたいなもんです。そして、これが今日のアメリカが置かれてる状況で、共和党も民主党も民主主義を犠牲にする気満々なんです。どないしてこんな状況になったんでしょう?私には分かりません。
誰かが分かってるとは思えませんけど、大きな要因の一つは、アメリカの選挙システムが議会における人民の意思を十分に代表できてへんことやと思います。アメリカの民主主義の最大の問題は、投票の実践が基本的に何百年も更新されてへんということです。
イギリスと同様、アメリカは「最初に柱を通過した者が勝ち」というシステムを採用してて、最多得票の候補者が勝って、それで終わりです。この用語は文字通り、柱を最初に通過した馬が勝者となる競馬から来てます。このシステムは全ての選挙で使われてるわけやないですが、最も重要な選挙ではまだ使われています。
ドイツやほとんどの現代民主主義国では、代わりに比例代表制というものを採用してて、これは異なる政党への投票の割合を数えて、その割合に基づいて代表者を割り当てるということです。
問題は、アメリカが使ってる最初に柱を通過した者が勝ちシステムでは、勝ち目のない候補者に投票する人は基本的に投票を無駄にしてるということです。そうなりたくないんで、勝ち目のある候補者にしか投票せえへんようになります。結果として、政治的な風景は薄まって、最終的に二つの党しか残らんようになります。
これがアメリカで基本的に民主党と共和党しかなくて、他に何もないという理由です。この二大政党制では、各党ができるだけ多くの有権者に訴えかけようとしてプログラムを曲げます。政治的な風景で起こり得る最大の変化は、イギリスで何度も起こったように、政党が分裂したり合併したりすることです。
対照的に、代表制では、政党は自分らのプログラムにより密着する傾向があります。政治的な変化は、政党のプログラムの変更というよりも、政党の代表の変化に反映されます。
その違いを感じてもらうために、科学者らは議会における平均政党数を測る方法を持ってます。これは相対的な割合の二乗の逆数を使うんです。中国は1です。アメリカは2、イギリスは約2.4、ドイツは5.5、ブラジルはなんと9.9です。私が言うたことの半分をもう忘れてもうたんやったら、QuizWithItでクイズを受けて記憶を助けることができます。
アメリカのシステムについてもう一つ古くさいのは、選挙人団です。これが最初に柱を通過した者が勝ちシステムの問題を更に悪化させてます。アメリカ人は大統領を直接選ばへんのです。代わりに大統領を選ぶ選挙人に投票します。各州にはある数の選挙人がおりますが、それらはその州の有権者数に比例してません。
基本的にこれは、アメリカのどこに住んでるかによって、大統領選挙での投票の重みが違うということです。例えばフロリダに住んでる人の投票力は、ワイオミングの人の3分の1です。これが、国民から過半数の投票を得た候補者が選挙人団からは過半数を得られず、結果として大統領になれへんという状況が起こり得る理由です。
これが2016年のヒラリー・クリントンに起こったことです。彼女は一般投票では勝ちましたが、選挙では負けました。数週間前の世論調査によると、アメリカ人の確固たる過半数が大統領選挙での選挙人団の廃止を望んでるそうです。まあ、選挙人団を通じて世論調査を行えば、この問題は簡単に解決できるんやろうけどね。
更に悪いことに、アメリカでは与党が時々、選挙人一人に対する選挙区の境界線を引き直すことで、自分らに有利なように確率を歪めようとします。例えば、対立政党の支持が強い地域を多くの小さな地域に分割して、自分らの党を支持する大きな地域と結合させるとかできます。
あるいは、それらを孤立させて、できるだけ少ない選挙区にまとめるとかね。これらの手法は「ゲリマンダリング」として知られてて、ほとんどの場合合法です。これらが、アメリカ政府が人民の意思を十分に代表できてへん主な理由です。でも民主主義には一般的に、アメリカだけやなく多くの問題があります。例えば、いくつかの心理学研究で、政治家になりたがる人はナルシストやマキャベリスト的な傾向が強いことが分かってます。
ナルシストは自己価値を過大評価し、自分の業績を誇張する傾向があり、他人のことをあまり気にしません。マキャベリストは他人を操作することで自分の目標を達成しようとします。彼らは目的を達成するために欺瞞や嘘を使うことに抵抗がないことが多いです。そういう特徴に当てはまる政治家を何人か思い浮かべられるんちゃいますか。
基本的に、公職に就きたがる候補者は、一般的に人々が公職に就いてほしいと思う人物とは違うんです。これがプラトンが「国家」という本で、哲学者に統治させることで解決しようとした民主主義の主要な問題です。そして、それは政府に一切の決定を止めさせたい場合には確かにええアイデアでしょうな。
この問題を解決するために繰り返し出てくるアイデアは、ランダムに選んだ人を政府に座らせることです。多くの国では既に、政府の政策に情報を提供する「市民会議」のようなものを使ってます。ほな、なんでこれをもっと正式なものにして、単なる情報提供以上のものにしないんでしょう。このアイデアは新しいもんやないです。実際、1988年の研究では、ランダムに選ばれたリーダーのグループは、正式にまたは非公式に選ばれたリーダーのグループよりも問題解決タスクで有意に良い成績を収めることが分かりました。ただ、これは188人の学生を対象にした比較的小規模な研究で、彼らが解決せなあかん問題は、バスが砂漠で立ち往生した後での生存でした。まあ、ドイツの現在の公共交通機関の状況を見てると、そんなに非現実的な話でもないかもしれませんけどね。
ほな、議員をランダムに選ぶのは実際ええアイデアかもしれませんが、人々がそれを受け入れるかどうかは全く別の問題です。去年、研究者らは15000人以上のヨーロッパ人に、「政治家の代わりにランダムに選ばれた市民グループに決定を任せるのはええアイデアやと思うか」を、0が非常に悪いアイデア、10が非常にええアイデアという尺度で尋ねました。中央値は4.3でした。ほな、人々がそれにすごく興奮してるとは言えませんな。
私もそれには興奮せえへんと思います。だって、議会に座る人々が、まず最初に自分らの政府がどう機能するか知ってる方がええと思うからです。基本的に、政治的な方向性は別として、少なくともその仕事をする資格のある候補者が欲しいわけです。
民主主義は今、難しい時期を迎えてます。というのも、政府が下さなあかん決定のほとんどが、有権者が理解するには複雑すぎるものになってきてるからです。その結果、政治的な議論は、子供のおらん猫レディー、ソファの適切な使い方、移民が犬を食べるかどうかといった、ほとんどの人が強い意見を持ってる少数のトピックに集中することが多いです。
私から見ると、問題は、ほとんどの有権者が、どの政治的決定が自分らの個人的な価値観の実現に最も効果的かを知らんということです。これが、過去10年間で、有権者の価値観と政治的志向や政党とのマッチングを手伝うアプリがたくさん登場してきた理由です。
私は、今後数十年でAIによってこれがもっと増えて、より直接民主主義に向かう傾向が出てくると思います。人々はAIに自分らが何を望んでるかを説明して、AIがそれを実現するための最適な政策を見つけ出そうとするでしょう。そして、自分らの代表者にそれを代表してもらうことを期待するようになるでしょう。
これは既に可能なことで、だからこそ一つの政党がそれを試すのは時間の問題やと思います。そうなったら、私は確信してますが、それは世界中に広がっていくでしょう。これが、現在の民主主義の最大の問題、つまりそれが遅すぎるということを解決すると思います。ほな、私は民主主義の未来について楽観的です。
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ほな、チェックしてみてください。簡単に学べて、このチャンネルをサポートできる方法です。ご視聴ありがとうございました、また明日お会いしましょう。
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