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人体いうんは、驚くべき生物学的な機械やねんな。複雑な部品がようけあって、医学界がやっと理解し始めとるとこやで。
新しい技術のおかげで、すごい画像が撮れて、体の仕組みについて新しい発見がどんどん出てきてんねん。
そして、言うてみれば、その中心にあんのが心臓やねんけど。
でもな、心臓病は世界中で一番多い死因で、毎年800万人以上の命を奪うんや。心筋梗塞、よう聞く言葉で言うたら心臓発作やけど、これが予告もなしに起こって、心筋細胞をすぐさま死なせてまうんよ。患者さんが助かったとしても、心臓へのダメージは残ってまうかもしれへんのや。
そやから、なんとかしてその心臓組織の機能を改善したいって思うわけやな。
世界中の研究者たちが、傷ついた心臓を治す方法を見つけようと必死になってんねん。いろんな方向から研究して、新しいバイオエンジニアリングの手法を開発したり、ついには新しい心臓をプリントする技術まで作ろうとしてんねや。
ジョンズ・ホプキンス大学の生物医学工学の教授であるウォーレン・グレイソン博士は、3Dプリンティング技術を使って顔の骨の再生を助ける研究をしてはんねん。それに加えて、世界中で行われてる再生医療の先端研究も勉強してんねやて。
グレイソン博士はこう言うてはんねん。「生物学的な代替品を作って、普通の心臓の機能を強化できへんやろか。極端な場合やけど、夢みたいな話かもしれんけど、新しい生物学的な心臓を作って、元の臓器と取り替えられへんやろか」
これ、実際の医療データに基づいて再構成した循環器系の図やねん。血管の全長は約10万キロメートルもあって、地球を2周半もするくらいなんや。
血管は、酸素や栄養をからだのすみずみまで運んで、老廃物を運び出すんや。それだけやなくて、臓器と臓器の間のコミュニケーションシステムとしても働いてんねん。修復や再生を指示するメッセージ分子を運ぶんやで。これが健康にめっちゃ大事なんや。
心臓はこの循環器系のエンジンみたいなもんで、からだじゅうに血液を送り出してんねん。そやから、ちょっとでも問題があったら大変なことになんねん。
でもな、心臓の治療は難しいんや。ちょっと変わった特徴があるからなんやけど。
ほかの臓器やったら、古い細胞が新しい細胞に置き換わっていくんやけど、心臓の場合はそれがめっちゃゆっくりなんや。50年かけても30%の細胞しか入れ替わらへんって言われてんねん。そやから、心臓がダメージを受けたら、回復するのに時間がかかんねん。
じゃあ、どうやって新しい心臓の細胞を作ったらええんやろ?
実はな、心臓の中に隠れてる小さな細胞外の泡みたいなもんが重要な役割を果たしてんねんて。これをエクソソームって言うんやけど、心臓を再生するメッセージが入ってんねん。「もっともっと細胞を作ろう」っていうメッセージやな。
そやから、ダメージを受けた心臓に人工的に作ったメッセージ分子を注入したら、回復のプロセスを早められるんちゃうかって考えたわけや。
有名な研究者のエドゥアルド・マーバン博士が、この理論をマウスで試してみたんや。心筋梗塞を起こしたマウスにね。結果はめっちゃ劇的やったんよ。
マーバン博士はこう説明してはんねん。「これが心筋梗塞後の心臓の壁やねん。右側の細胞は死んでしまって、壁が薄くなってしもてんねん。でもな、追加のメッセージ分子をもらったマウスではどうなったと思う?細胞の数が増えて、壁が厚くなったんや」
エクソソームとその生物学的な性質は、からだの中での仕組みを理解するのに革命を起こしてんねん。マーバン博士はこう言うてはるわ。「もし適切なものを特定の治療源から取り出せたら、今までの常識を覆すような強力な治療薬になるかもしれへんのや」
マーバン博士たちが心臓病の治療法を研究し続けてる一方で、ほかの研究者たちは違うアプローチを探ってんねん。例えば、研究室で培養した組織や臓器の開発なんかやな。
ここにおるのが、再生医療分野の世界的な専門家であるケネス・チェン博士や。チェン博士の研究室では、胚性幹細胞を使って、ほぼ毎日のように臓器の形成過程を観察してんねん。
研究者が ES細胞にある特定のシグナル分子を加えんねん。これをWNTって言うんやけど、WNT分子は分裂中の卵に大量に存在すんねん。1週間後、細胞の一部が脈打ち始めんねん。さらに2日後には、平らになった細胞の表面に大きな波が走るんや。
これが人間の心臓の始まりなんや。チェン博士はこう言うてはんねん。「どんな細胞にもなれる胚性幹細胞を使って、それにほぼ完全に人間の拍動する心室筋になるように指示できるんや。これはめっちゃワクワクすることやで」
このワクワク感を広げて、生物医学研究の発展を可能にしてんのが、新しいタイプの材料を開発することなんや。簡単に言うと、普通の人間の細胞、例えば皮膚細胞なんかを再プログラミングして、誘導多能性幹細胞、略してiPS細胞を作れるようになったんや。これが胚性幹細胞と同じような変化の可能性を持ってんねん。
イスラエルの研究者たちは、このiPS細胞を使ってびっくりするような新しい技術を開発してんねん。ミニチュアの心臓をプリントすることまでできるようになったんや。
タル・ドヴィル博士はこう言うてはんねん。「血管のある完全な細胞性の心臓をプリントしたのは、これが世界で初めてなんや」
どうやってやったんやろ?テルアビブ大学のタル・ドヴィル博士と研究チームは、患者さんの脂肪組織から細胞を採取して、個人に合わせた生物学的なハイドロゲルを作ったんや。それに加えて、心臓細胞や血管細胞になるように操作したiPS細胞も使ったんやて。これらを合わせて、ドヴィル博士が「バイオインク」って呼んでるものを作ったんやな。
ドヴィル博士はこう説明してはんねん。「心臓用のバイオインクと血管用のバイオインクがあって、それを使って3Dプリンターで主要な血管がある完全な心臓をプリントすんねん。次の段階は、これらの心臓を研究室で少なくとも1ヶ月間成熟させることや。細胞同士がどう相互作用するか、電気信号をどう伝えるか、同期して収縮したりポンプのように働いたりする能力をどう身につけるかを教えるんやな。1、2年後には、これらの心臓をラットやウサギみたいな小動物モデルに移植できるようになればええなと思ってんねん」
間違いなくすごい成果やけど、ウサギサイズの臓器のプリントから人間サイズの心臓を作るまでには、まだまだ研究せなあかんことがようけあんねん。でも、その影響はもっと早く現れるかもしれへんで。
グレイソン博士はこう言うてはんねん。「研究室の中でそんなもんが作れるようになったら、薬の効果をテストし始められるんや。これは間違いなく前向きな進歩やし、基礎的な生物学や心臓の生物学の理解を深めるうえで、確実に分野を前進させるもんや」
そして、ドヴィル博士の研究のもう一つの要素が、もっと早く医療応用できる可能性があんねん。同じバイオプリンティング技術を使って、研究者たちは血管のある心臓パッチを開発したんや。これによって、心臓発作による損傷を修復する新しい方法が生まれるかもしれへんのや。
グレイソン博士はこう説明してはんねん。「傷跡組織を完全に取り除くことはできへんけど、その上にパッチを移植できるかもしれへん。言うたら、絆創膏みたいなもんやな。そこに置いて、収縮する能力があれば、薄くなった壁を厚くして、ある程度の強さを与えられるんちゃうかな。細胞とマトリックスの組み合わせは、全部生物学的で、体に完全に適合するんや。患者さん自身の細胞を使うから、免疫拒絶反応も起きへんのや」
ドヴィル博士は楽観的な見方をしてはんねん。「10年後には、すべての病院に組織や臓器をプリントするプリンターが置かれて、それを患者さんに移植することになると思うわ」
グレイソン博士は、それはちょっと楽観的すぎるタイムラインやと思ってはんけど、生物医学工学の驚くべき進歩を考えると、医者たちがほんまに傷ついた心臓を治す方法を見つけるのも、そう遠くないかもしれへんな。
グレイソン博士はこう締めくくってはんねん。「科学の世界には常に希望があんねん。こういったブレークスルーの一つ一つが、私たちをさらに一歩前に進めて、その希望を持ち続けさせてくれんねん」
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